宮内庁は九日、不整脈などのため一部の公務を取りやめていた天皇陛下(74)が内視鏡検査の結果、胃から十二指腸にかけてびらんと出血のあとが確認されたと発表した。身体的、精神的なストレスが原因とみられるという。
不整脈も既におさまっているが、高齢と心身のストレスが原因の可能性があるという。
宮内庁の
金沢医務主管のほか、東大の
説明によると、陛下は十一月十七日朝、胸の変調を訴え、診察の結果、時々脈が飛ぶ「上室性不整脈」と診断された。一時は連続して起こることもあったという。
十二月二日には胸から胃にかけての違和感や痛みを訴え、五日の宮内庁病院での内視鏡検査で、びらん性胃炎、出血性胃炎、びらん性球部十二指腸炎、出血性球部十二指腸炎が確認された。胃腸炎の前に急性胃粘膜病変が起きていたと考えられるという。二日夜の血圧上昇は胃腸の痛みに対する防御反応として発症した可能性がある。現在は胃酸の分泌を止める薬や、胃粘膜を保護する薬を服用している。
陛下は休養と検査のため三—四日のすべての行事と、五日の一部公務を取りやめたものの体調は落ち着いた状態で、八日以降は東京・上野で開かれた国際生物学賞授賞式に出席するなど予定通り公務に臨んでいる。