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2008年12月09日(火) 21時59分

<6カ国協議>中国案めぐり交渉…サンプル採取なお隔たり毎日新聞

 【北京・大谷麻由美】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合は2日目の9日、議長国・中国が提示した核検証方法の文書化草案に対する本格的な交渉に入った。最大の焦点である「核施設からのサンプル(試料)採取」の文書明記に難色を示す北朝鮮と他国との立場の違いは依然大きく、10日午前も引き続き、草案に対する調整作業が進められる。

 中国は9日午前、文書化草案を提示し、その後は中国を中心に2国間や多国間での意見交換を進めた。

 日本首席代表の斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は同日の協議後、草案に対し「内容的に改善の余地が多くある。日米韓ロは考え方で足並みをそろえた」と説明、厳格な検証措置を盛り込むよう中国側に文書で提案したという。

 草案内容は明らかにされていないが、協議関係者によると、今年7月の6カ国協議合意を土台に検証の主体と方法、対象、時期などが具体的に記述されているという。

 しかし、「試料採取」の用語を北朝鮮側が強く拒絶しているため、文書案には代わりに「科学的手続き」などのあいまいな表現が使われている模様。「試料採取」は別途、非公開文書に盛り込まれる見通しという。

 別の協議関係者によると、試料採取について、北朝鮮首席代表の金桂冠(キムゲグァン)外務次官が初日の韓国との個別協議で「核廃棄を論議する第3段階の交渉で取り扱うべきだ」と改めて主張。文書に明確に盛り込むべきだと主張する日米韓と大きな食い違いを見せている。

 中国は10日に各国の意見を集約した後、修正案を出す可能性も指摘されている。

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