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2008年12月09日(火) 20時19分

突然の工場閉鎖と解雇、オバマ氏の地元で労働者座り込み読売新聞

 【シカゴ(米イリノイ州)=白川義和】オバマ米次期大統領の地元シカゴで建具メーカーが突然、工場閉鎖と従業員の解雇を決め、怒った労働者が退職金や手当の支払いを求めて工場内で座り込みを続けている。

 「大企業は救済されるのに労働者は見捨てられる」との主張が報道で伝えられると、金融危機に苦しむ人々の間に共感の輪が広がり、オバマ氏も労働者を支持する見解を表明。全米の関心事に発展する事態となっている。

 「ここで起きていることを皆に見てもらいたい。8年半も働いて雇用は安泰だと思っていたのに突然こんなことになった。誰にでも起きることなんだ」

 シカゴ中心部から車で5分。支援に訪れる労働組合員や報道陣でごった返す工場で8日夜、座り込みを続けるダンテ・ワトソンさん(30)が淡々と語った。

 会社は今月2日、工場閉鎖と3日後の解雇を240人の社員に突然伝えた。退職金や手当が「取引銀行の拒絶によって支払われない」と聞くと、労働者の怒りが爆発。50人ずつ8時間ごとに交代しての座り込みが5日から始まった。工場占拠とも言えるが、怒りは銀行にも向けられている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000049-yom-int