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2008年12月09日(火) 01時01分

<闇サイト殺人>偽暗証番号「2960」は「憎むわ」母証言毎日新聞

 名古屋市千種区の派遣社員、磯谷利恵さん(当時31歳)が07年8月、拉致・殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた3被告の公判が8日、名古屋地裁(近藤宏子裁判長)であり、証人として利恵さんの母富美子さん(57)が出廷した。利恵さんが3被告に教えたとされる「2960」という銀行口座の虚偽の暗証番号について「『憎むわ』という意味の語呂合わせで、誰かに自分の気持ちを伝えたかったのだと思う」と述べた。

 事件では、愛知県愛西市内の駐車場の車内で、包丁を手にした堀慶末被告(33)から「いいかげんしゃべれ」とすごまれ、利恵さんは小さな声で「2960」と漏らした。だが利恵さんを殺害後、3被告が奪ったキャッシュカードで現金自動受払機(ATM)から預金を引き出そうとするとエラー表示が出た。

 利恵さんは4けたの数字で語呂合わせをするのが好きだったという。富美子さんは「(口座に残っていたのは)『家を建てる』という約束事を(1歳の時に亡くなった)主人に代わってかなえるために娘がこつこつ蓄えたお金で、絶対に渡したくなかったんだと思う」と話した。また裁判官に「被害者が1人では死刑は難しいんでしょうか。それが知りたい」と訴えた。

 公判終了後、名古屋市内で記者会見した富美子さんは、これまでの公判で3被告が謝罪の言葉を述べていないことについて「見せかけの謝罪をされるよりはむしろない方がいい」と話した。【秋山信一、式守克史】

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