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2008年12月09日(火) 19時16分

<屋久島入山税>世界遺産の環境保全で導入検討 鹿児島県毎日新聞

 鹿児島県は9日、世界自然遺産の屋久島の環境を保全するため、法定外目的税「入山(島)税」の導入検討を表明した。山岳トイレのし尿搬出費用を登山客に負担してもらおうと、今年4月に導入した「保全募金」が低調なため。高山大作・環境生活部長は9日の県議会一般質問で「募金よりも一定の強制力があり、確実に協力が得られる仕組みを作りたい」と述べた。

 環境省や県などで作る「屋久島山岳部利用対策協議会」によると、屋久島では登山道にある山岳トイレ(6カ所)のし尿搬出に年間約3000万円が必要になっている。今年4月から「1口500円」の募金を始めたが、11月5日現在、総額は目標の4000万円を大きく下回る約730万円しか集まっていないという。

 「入山(島)税」を巡っては、00〜03年にも県議会で検討されたが、公平性の観点や徴収方法などを巡って頓挫した経緯がある。県環境保護課は「当時と比べ登山客が増えており、今と状況が違う。トイレ問題は環境保護の観点から喫緊の課題だ」と訴えている。

 環境保全を目的にした入島税は、沖縄県伊是名村などで導入例があり、同村は年間約400万円の税収を公園や森林などの維持管理費に充てている。【川島紘一】

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