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2008年12月09日(火) 19時07分

<イラク市民殺傷>米の警備員5人起訴…連邦大陪審毎日新聞

 【ワシントン及川正也】米国の民間軍事会社(PMC)ブラックウォーターUSAの警備員が昨年9月、バグダッドで銃を発砲しイラク市民多数が殺傷された事件で、米司法省は8日、連邦大陪審が警備員5人を殺人罪などで起訴したと発表した。また、別の警備員1人は殺人と殺人未遂容疑を認めたと発表した。

 米イラク間の政治問題に発展した殺傷事件でブラック社は「攻撃に対して反撃した」と正当性を主張したが、両手を挙げた無抵抗の市民を殺害したことも判明。無差別乱射事件の側面が浮き彫りとなった。

 起訴された5人は25〜29歳でいずれも米軍出身。起訴状によると容疑を認めた1人を含めた6人は国務省関係者を車両で護衛中、非武装のイラク市民に向けて自動小銃などを発射。14人が死亡し、20人以上が負傷した。

 起訴状などによると、殺傷された市民は全員が武装勢力ではなく、犠牲者の多くは一般車両の中で銃撃を受けた。市民1人は路上で両手を挙げていたにもかかわらず胸を撃たれ、手投げ弾で負傷した市民もいた。

 5人は殺人14件、殺人未遂20件、武器不正使用1件の計35件で起訴。有罪なら刑期は殺人罪で最大10年、殺人未遂罪で同7年。イラクで活動する米政府関係者やその契約業者は米英主導の暫定行政当局(04年解散)の命令でイラク法適用外とされ、米国内法に基づき刑事訴追するかどうかを連邦大陪審が審理、4日に起訴した。

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