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2008年12月09日(火) 19時06分

裏金の使途解明が焦点 西松建設元幹部を起訴産経新聞

 西松建設の海外事業部元副事業部長、高原和彦被告が業務上横領罪で起訴され、特捜部の捜査は今後、同社が海外でつくってきた裏金の使途解明を焦点に進められるとみられる。

 高原被告は、2003(平成15)年ごろ、タイのトンネル工事を受注するため、タイ政府高官らに4億円のわいろが提供されたとする趣旨の供述をしているほか、平成17〜19年に副社長(67)=現顧問=の指示で、約1億円の裏金を無届けのまま国内に持ち込んだ外国為替及び外国貿易法違反(外為法)違反の疑いが持たれている。

 海外での受注工作は高原被告の供述以外に証拠が乏しいため、特捜部は国内に持ち込まれた約1億円の使途を中心に捜査。先月、外為法違反容疑で同社本社や国沢幹雄社長(69)の自宅など数十カ所を一斉に捜索した。

 中でも重点的に捜索されたのは電力業界や政界に太いパイプを持ち、「フィクサー」とも呼ばれる都内の元会社役員の複数の関連会社。この会社は青森県の原子力関連施設にかかわる業務を行っており、西松建設とは、同県むつ市の中間貯蔵施設に絡み、接点があったとみられる。元役員をめぐっては、18年の水谷建設脱税事件でも関係先として関連会社が特捜部の捜索を受けている。

 特捜部では、裏金の一部が元役員の関連会社に流れた可能性もあるとみて、全容解明を目指す。

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