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2008年12月08日(月) 02時50分

【幸満ちゃん事件】「覚えていない」核心語らぬ容疑者産経新聞

 死体遺棄の容疑は認めるものの、核心の死亡の経緯はだまりこむ−。成田幸満ちゃんの死体遺棄事件で逮捕された勝木諒容疑者は、男性の取調官とそんなやり取りをしているという。だんまりを決め込んだ後、「覚えてない」「思いだせない」と繰り返すという。捜査本部の調べで明らかになった供述などから事件の様子は次第に判明しつつあるが、「不可解な部分もある」(捜査幹部)という。

■「目玉が出る…」

 「死体遺棄容疑で逮捕するぞ」「うん」

 捜査員から告げられた瞬間、容疑者は両ひじを机の上に置き、身を乗り出して大きくうなずいたという。

 調べの中で幸満ちゃんを「女の子」と呼んでいるという容疑者は「女の子と家の中に一緒にいたら、ぐったりした」とした上で、「目玉が飛び出るくらいびっくりした。怖かったです」と、遺体を捨てる際の心境などを語っている。

 その後の行動は早かった。幸満ちゃんを裸にし、衣服や靴は近くのスーパーのレジ袋に詰め、マンション3階の自宅の窓から駐車場に投げ捨てた。そして、幸満ちゃんを両手で抱え、「3階から1階に下り、出入り口からマンションの外に出た。白い建物(遺棄現場の資材置き場)の鉄の棒(さく)が近くにあるところに持っていっておいた」と具体的に話している。

■事件直後に着替えか

 冷静に行動したとみられ、人目につかないよう「来た道とは別の道で自宅に戻った」とも供述した。

 事件当日の9月21日は雨が降っていた。両手をふさいでいた容疑者はぬれ、自宅に戻って着替えたとみられる。捜査本部が入手した現場近くの2カ所の防犯カメラの映像から分かったもので、服装は、事件前の午前11時ごろに1人でぶらぶらと歩いていたところをスーパーのカメラが捕らえたものと、事件後の午後1時ごろの容疑者の住むマンション隣りのコンビニに設置されたカメラで違っていた。幸満ちゃんの最後の目撃は、午前11時ごろ、母親の多恵子さん(38)の勤めるクリニック内でだった。

 その後、幸満ちゃんは外出し、容疑者に出くわしたらしい。供述では、事件当日まで幸満ちゃんと面識はなかったといい、この際の印象を「ばったり」と表現。詳細については「思いだせない」とするが、出会った後、会話も交わした。雨の上に昼食時で、幸満ちゃんに「帰りなさい」と勧めたこともあったとする。幸満ちゃんはいったんは帰ったが、容疑者が自宅玄関を開けた際には「後ろに女の子がいた」と不可解な供述もしているという。

■謝罪の言葉なし

 捜査本部によると、容疑者は反省や謝罪の言葉は口にしていない。捜査幹部は「自分に都合のいい供述をしているかもしれず、うのみにはできない」と話している。

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