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2008年12月08日(月) 02時50分

京都家裁書記官を逮捕 振り込め凍結口座から現金引き出し、全国の地裁に偽造判決書送付か産経新聞

 振り込め詐欺に使われた口座の凍結が解除され、現金が引き出されていた事件で、埼玉県警捜査2課などは7日、偽造有印私文書行使の疑いで、京都家裁の書記官、広田照彦容疑者(35)=京都市伏見区=を逮捕した。口座の凍結解除のために偽造の判決書が使われており、県警は広田容疑者が偽造した疑いが強いとみて、偽造有印公文書行使や詐欺などの疑いでも追及する。凍結が解除された口座からは、広田容疑者が管理する別口座に預金が移されていた。

 広田容疑者は「今は忘れてしまって、よく覚えていない」と否認している。

 振り込め詐欺に使われた口座の凍結を解除するために、広田容疑者が現金引き出しに使ったのと同じ名義人の偽造判決書が全国の地裁に送られており、県警は関連を調べている。

 調べでは、広田容疑者は今年9月29日ごろ、埼玉県熊谷市内の銀行の口座名義人の債権者を装い、偽造した振り込み依頼書を郵送するなどした疑い。口座から約400万円が広田容疑者が管理する口座に送金され、京都市内のATMから引き出されていた。

 熊谷市内の銀行の口座は振り込め詐欺に使われ、1月に凍結されていた。しかし、貸金請求事件に関する京都地裁の偽造判決書に基づき9月、口座の差し押さえがさいたま地裁熊谷支部に申し立てられ、支部は差し押さえ命令を出した。これにより、口座の凍結が解除され、現金の引き出しが可能になっていた。

 偽造に気づいたさいたま地裁が10月、県警に虚偽有印公文書行使容疑で告発していた。偽造判決書は裁判所が言い渡した主文を書記官が書き取る形式の調書判決で、京都地裁の公印が押されていた。

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