記事登録
2008年12月07日(日) 21時46分

ノーベル賞3氏が記者会見産経新聞

 【ストックホルム=木村正人】今年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授で京都産業大理学部教授の益川敏英(68)と高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)名誉教授の小林誠(64)、化学賞の米ウッズホール海洋生物学研究所・元上席研究員、下村脩(おさむ)(80)の3氏らが10日の授賞式を前に7日、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーで記者会見した。

 「国宝級の門外不出人間」を自称する益川氏は「私は日本語しか話せない」と司会者に断った上で、ノーベル賞を生む最も大切な環境について「科学の発展にはチャンピオンを作ることが欠かせない。若者を育てる原動力はあこがれだ。ノーベル賞は後輩にあこがれを与えている」と話した。

 授賞式を欠席する共同受賞者の米シカゴ大名誉教授で大阪市立大名誉教授の南部陽一郎氏(87)については「ずっと南部先生を仰ぎ見てきた」と大先輩の業績をたたえた。

 小林氏は「名古屋大で物理学を始めたとき、ユニークな研究が行われており、多くのことを学べた。研究方法の多様性が新しい発見には大切。新たな基本粒子の存在を提唱した私たちの理論は人類の考え方を変えたと思う」と話した。

 下村氏は1960年代初め、実験室の流しでクラゲを絞った液が発光した瞬間を振り返り、「ついに成功したと思い、感激した。最近の緑色蛍光タンパク質(GFP)を使った研究の発展には非常に驚いている」と語った。

【関連記事】
ノーベル賞受賞式出席の3氏、博物館を見学
「来いというから行くだけ」ノーベル賞の益川教授が授賞式に出発
ノーベル景気、金融不安 明暗分かれる?大学入試戦線
水族館のクラゲ、ノーベル賞・下村さんのアドバイスで光った!
コーラの殺精子効果研究など受賞 イグ・ノーベル賞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081207-00000542-san-soci