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2008年12月07日(日) 21時11分

印パ非難合戦 緊張エスカレートも 産経新聞

 【シンガポール=宮野弘之】インド・ムンバイでの同時テロを受け、パキスタンがインドに対する牽制(けんせい)を強めている。ハッサン駐英パキスタン大使は6日、英BBC放送とのインタビューで、インドがテロ直後、パキスタン国内のイスラム過激派の訓練キャンプを急襲する計画を持っていたと語った。大使は「パキスタンに教訓を与えるために、インドがパキスタン国内にある訓練キャンプなどに対し、空爆などを計画していた証拠がある」と述べた。

 また、パキスタン政府高官はロイター通信に対し、ザルダリ大統領が11月末、インドのムカジー外相からパキスタンへの軍事行動を示唆する電話を受け、パキスタン軍がその後24時間、厳戒態勢を敷いたことを認めた。パキスタン情報相は6日、電話は間違いなくインド外務省からだったとしている。

 これに対し、ムカジー外相は7日、改めて声明を発表し、そのような電話はしていないとしたうえで、「一連の動きは、ムンバイのテロを実行したパキスタンに拠点を置くテロリストグループから、注意をそらしたい人間によるものだろう」と述べ、パキスタン側の姿勢を批判した。

 ただ、7日付のインド紙ヒンズーによると、インドのシン首相は先週訪印したマケイン米上院議員に対し、パキスタン政府が容疑者引き渡しに応じない場合、パキスタンに空爆を加えると伝えたという。同議員が6日、パキスタンのラホールでの講演で明らかにした。

 いまのところ、インド、パキスタン両国とも部隊の国境地帯への移動などは行っていないが、非難合戦から事態がエスカレートする可能性もある。

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