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2008年12月06日(土) 15時30分

女児遺棄男聴取 事件から2カ月半、急転 「早く解決を」住民見守る中 捜査員産経新聞

 千葉県東金市の成田幸満(ゆきまろ)ちゃん(5)が遺体で見つかってから約2カ月半。千葉県警は6日、現場近くに住む男(21)の事情聴取を始めた。「早く解決して」。事件後、不安に包まれた住民たちは、動き始めた捜査の行方をかたずをのんで見守った。

 午前6時40分ごろ、千葉県警のパトカー3台と捜査車両数台が6階建てのマンション前に到着。捜査員5人が、男が住む3階の部屋に向かった。約5分後、捜査員に伴われて、ジャンパーのフードで顔をすっぽりと覆った男が部屋から出てきた。男は捜査員に促され、捜査車両に乗り込んだ。

 静けさを打ち破る突然の事態に住民は驚きを隠せない。「幸満ちゃんのことはよく知っている。絶対に許せない」。マンションの男性(65)は厳しい表情で話す。男については「あいさつをしても、いつも上を向いたりして何も話さない」と話した。

 また、幸満ちゃんと同じマンションに住む女性(37)は「遺体が見つかった現場に献花に行ったら、テレビで見た幸満ちゃんの顔が頭に浮かんで、涙が止まらなかった。こんな理不尽なことは許せない。犯人が一日も早く捕まることを祈っている」と声を震わせた。

 事件発生時、遺体を目撃したという近くの無職男性(60)は「2カ月半はずいぶん長く、事件が忘れられてしまうんじゃないかと心配していた」。事件後、周辺は夜間の人通りも少なくなり、住民の警戒感も強まっていたという。「幸満ちゃんは5歳までしか生きられなかった。本当にかわいそう。何でこんなことをしたのか…」と声を落とした。

 一方、幸満ちゃんの祖父が院長を務める病院「東金中央クリニック」は通常通り午前9時から診療を始めた。入り口のドアには幸満ちゃんの写真とともに、「本年9月に幸満が永眠いたしました。喪中のため新年のご挨拶(あいさつ)は控えさせていただきます」という文章が印刷された紙が張られていた。

 この日、院長の診察を受けたという80代の女性によると、「院長は普段と変わらず、明るく振る舞っていた」。ただ、上空を飛ぶマスコミのヘリコプターの音を時折、気にしていた様子だったという。

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