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2008年12月05日(金) 18時01分

裁判員制度:「聴覚障害者」初の参加 導入を前に、地裁で模擬裁判 /山口毎日新聞

 来年5月から始まる裁判員制度に向け、山口市の山口地裁で3、4日の2日間、模擬裁判が開かれた。県内で初めて、聴覚障害者の裁判員のため手話通訳が行われ、12月から始まった被害者参加手続きも取り入れた。
 1日目は選任手続きがあり、裁判所が協力を呼び掛けた会社員ら28人の候補者から6人を裁判員として選任。うち1人は聴覚障害者で、3人の手話通訳者が交代で通訳した。
 被告の男性は、飲酒運転で対向車の男性を死亡させた危険運転致死罪に問われているという設定。弁護士、検察のやり取りを聞いた後、裁判員と裁判官は「人を死なせたことの重みは判断すべき」など意見を出し合った。量刑を決める際は、多数決の原則に加え、「過半数(5人以上)の意見であり、かつ、裁判官と裁判員の双方の意見を含んでいる」との条件がつき、結局、判決は懲役5年に。
 終了後、裁判官に感想を聞かれた男性の裁判員は「裁判に参加することは難しくないが、量刑を決めるのが難しかった」。聴覚障害者の男性は「通訳者の数は4〜6人いた方がいい。ほかの裁判員と対等に意見を言い合えてよかった」と話した。【藤沢美由紀】
〔山口版〕

12月5日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081205-00000268-mailo-l35