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2008年12月05日(金) 19時07分

「携帯を持たせるか否かは親の判断」石原都知事産経新聞

 東京都の石原慎太郎知事は5日の定例記者会見で、大阪府の橋下徹知事が府内の全公立小中学校などで携帯電話の持ち込みを禁止する方針を示したことについて、「携帯を持たせるかどうかは、本来、親が判断することだと思う」と持論を展開した。この日の会見詳報は以下の通り。

         ◇ 

 「冒頭、私から一つ申し上げます。『東京オリンピック・パラリンピック招致サポーター大集合』というですね、イベントをやります。開催都市決定まで残り1年を切りましたが、招致活動をですね、盛り上げるイベントとして、来週12日の金曜日午後5時半から国立代々木第一体育館で行います。水泳のメダリストの北島康介さんや、陸上の朝原宣治さんなど多くのゲストを呼びまして、応援メッセージやパフォーマンスを行う予定であります。会場には若者から高齢者まで幅広いサポーターが集まって熱気のある応援をしてくれると聞いております。まあ、私も当然、参りますが、ぜひ、多くの都民、国民に会場に足を運んでもらいまして、大いに盛り上げて招致につなげたいと思います。私から申し上げることは以上です。質問があったらどうぞ」


 −−子どもたちの携帯電話の使用がいじめの温床などになっているとして、大阪府の橋下知事が府内の小中学校への持ち込みを全面的に禁止する方針を示したが、どう考えるか

 

 「これね、東京ではね、小中高等学校に持ってくるのは一応、禁止しているんですよ。ただ高等学校では持ってきても校内では使わない、教室では当然、使うなという指導をしてますがね。これやっぱりいろいろな考え方があってね、文明の一つの進展で、なおかつ便利なツールですからね。ただ、このごろ忌まわしい事件が多いですから、子どもの所在、GPSを確かめるためにですね、発信源としてのうんぬんというのもありますけれども。学力低下につながる要因はもっと他にあるんだろうし。携帯だってその一つの原因かもしれませんが。いろいろな機能が備えられているからね、遊びの道具にふさわしい。しかし、いじめは違った形でいろいろとありましたからね、まあ、これに対する評価はいろいろあるだろうね。橋下君も橋下君でいろいろやってるからね。東京都ではそういうことになっています」

 

 −−行政が立ち入り過ぎだとの批判もあるようだが、どう考えるか

 

 「それは一つ、指摘されるでしょうね。これは本来、親が買って与えるものだから、親がいかんと思ったら与えなければいい。それからね、使用の制限もしたらいい。結局、学校も(使うなと)言うと、モンスターペアレントが出てくるとうるさいんでね、行政の指導者が言い出したんでしょうけど。でも本当はこれ、私、子どもの情操教育からしつけに代わることですし、私は親が判断することだと思いますけれどもね」


 −−ホンダが2008年をもってF1から撤退すると発表したが、どう考えるか

 

 「知らないよ。興味ないもん。F1っていうのはいろいろと国際ルールがあってね、つまり白人社会、特にヨーロッパ社会はこういうことに介在してきてだな、たとえば東洋人が得意なものっていうのにルールを変えて抑制しようとする。F1もね、何かね、ホンダかどこかのエンジンがすごく優秀だっていうとそれを抑制するルールをくっつけたりしてね。まあね、失礼だけど決してフェアじゃない妨害があるようですな。ホンダが辞めた理由はわかりませんよ。しかしうんざりしてやめたんだったらね、それはホンダの判断」

 

 −−知事は三宅島のバイクレースでホンダが妨害したと指摘し、社長に直談判すると言っていたが

 

 「どうだどうだと言いましたらね、ホンダからはわけのわからない返事が来ましたね。言い訳とも何ともつかないみたいな。両方に公道におけるレースに対する考え方の違いがあったとかどうだとかね(言っていた)。違いがあったら、教えてほしいんだよね。他のイベントに出かけてくれるホンダのどなたか知らないけれども、要するに意に沿わないのは広告料を出さないなんてことを、なんか下っ端の役員かそこらの部長が言ったんだろう。ということで私は怒ったんですが、訳のわからない返事が来た」 

 

 −−今後、ホンダの社長と会うのか

 「言ったけれど、むこうは忙しいというから。F1で忙しいんじゃないの?」


 −−荒川区議会で迷惑な動物へのエサやり禁止の条例制定が決まったが、どう考えるか

 

 「まず、聞いておりません。しかしね、自然の世界で生きている動物というものをね、それなりの試練に耐えて生存を果たしているわけで、それをやっぱりどういうセンチメントか知らないけれども、人間がね、過剰なエサをやって生きやすくして生き物が増えていくというのもね。まあ、私はね、人間の動物に対する愛護、好きな動物にどうのこうのというセンチメントというのか、そういう生存の循環を狂わせることは関心できないと思いますな」

 

 −−首都大学の学長に原島文雄さんが選ばれたことと、前学長の西沢潤一さんのこれまでの実績についてどう考えるか

 

 「これはもうね、西沢先生には非常にお世話になりましたね。立派な方で私も出掛けていって、岩手県の知事を呼び出してね、ぜひそのまま岩手県立大学に留任じゃなくて、そのまま東京の方で人材として迎えたいといいました。先生の在任中、非常に実行力があがった。学校が立派になってきて、大学に対する期待度が高まったと思いますね。ただまあ、幾分、高齢でいらっしゃるしね、その他の研究もやってらっしゃるし。原島さんはこれは立派な方でね、次の学長にふさわしい方だと思いますよ。ただ、いろいろあったみたいだけどね、あの大学の人事というのは私の手を離れていましてね、それで理事長がいるわけで。彼が一人で決めるわけじゃないだろうから、まああの次の学長を決める会議があったんじゃないですか」


 −−新型インフルエンザをめぐり、国の政策が封じ込めから大流行したときの対策へと方向転換したが、どう考えるか

 

 −−「遅すぎると思う。アメリカやスイスなど裕福ないくつかの国は国民の数だけ、プレパンデミック(大流行前)のワクチンをつくってますよ。日本は遅れすぎていてね、おそらく2000万人分しかないんですよ。ですからね、誰と誰にわたるんだって聞いたらね、幸い県知事はもらえるそうだけどね。うちの家族はもちろんダメだしね。消防、警察、お医者さん、国会議員ももらう。国会議員はあまり役に立たないけれどな。とにかくね、数を増やすことは大事なことじゃないですか。私はね、タミフルの備蓄だけではとても足りないと思いますから。それから大事なことはプレパンデミックワクチンというのは本当に効くのか効かないのか。それから新しいワクチンですから。副作用があるかないか。お医者さんたちが自分でやってその結果をはっきり発表してくれればいいんだけど」

 「それでせめてプレパンデミックワクチンをですね、備えてつくるべきだと思います。それで東京は東京でそのための予算を割いてもいいと思っていましたけども、いろいろ妨害、障害があると聞きましたがね。ただね、東京は要するに自由経済社会ですからね、日本にはワクチンをつくるインフラが民間にありますからね、むしろこういったものを活用してどっかの製薬会社に発注してもいいかなと思っていたら、国の政府の中からそれはたぶん、ダメでしょうと。製薬会社が受けても、恐らく厚生(労働)省がメンツのために圧力をかけてつぶれるでしょうと、そういう予測がありましたがね。まあしかし、国が基本的に姿勢を変えてだね、積極的に乗り出したのもいいんじゃないですか。すべきだと思いますよ。たとえ空振りに終わってもね」

 

 −−一方で新型インフルエンザに対する都民の関心がうすいようだが、どう考えるか

 

 「情報を普遍させるとね、『それじゃ、政府は何をしてくれるんだ』ってことになるからね、まあ、金の問題も考えて今まで抑制されていたと思いますけどね。この間もね、私、2、3カ月前の文芸春秋の月刊誌で専門家2人と対談して、国民がもうちょっとこの問題について不安を感じてもいいんじゃないかという情報を提供しましたけれども。これは本当にやっかいなんですよ。いつ来るかわからない。それから専門家に言わせると中国で何が起きているかさっぱりわからない、こういうものの情報が伝わってこない、世界の専門家が心配していますな。こんなに人の出入りが激しい時代に、しかも日本で簡単に密輸入が行われているときにですな、飛行場だけで徹底している場合ではありませんよ」


 −−新銀行は公的資金の注入は必要がないと判断したようだが、どう考えるか

 

「結構なことじゃないか。必要ないんでしょう。限られたメンバーががんばって水平飛行から少し上昇の兆しが見えてきたんで。まあ、その他に思い切った手だてをしなければいけないと思いました。今、ここで申しませんがね。やっぱり、東京のポテンシャルについて過去に勉強したけれども、外国のファンドも含めてね、要するに金融筋はよほど東京の認識があつくてね、どうしてこういうことしないんだっていうのもありましたがね。今また、ある手だてを考えております」

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