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2008年12月05日(金) 17時43分

【海外ケータイレビュー】Palm Treo Projapan.internet.com

ますます競争が激しくなるスマートフォン市場において、Palm はビジネス向けの「Palm Treo Pro」を投入することで時間稼ぎに出た。この洗練されたデザインの強力なマシンは、人をうならせ、手に取って見てみたいと思わせる要素を持っているし、企業を喜ばせるであろう機能もいくつか搭載している。だが、われわれが望んでいたような画期的デバイスではないので、Palm が何か本当に目を見張るようなものを開発中であることを期待したい。

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Treo Pro は GSM 対応のスマートフォンだが、米国ではアンロックされたものしか販売されていないため、電話通信事業者によるディスカウントは一切ない。そのため、一部のユーザーには手の届かないものとなってしまう(Palm.com での販売価格は549ドル)が、ユーザーが厄介な契約に縛られないのは良いことだ。それに、いずれにしてもそのターゲットはビジネス市場であり、消費者は Palm で評判が良く手ごろな価格帯の「Centro」シリーズを検討すべきだ)。

これはクアッドバンド対応の国際電話機で、802.11b/g と Bluetooth 2.0+EDR も搭載する。バッテリの持続時間は通話時間が5時間、待ち受けが250時間となっている。

美しいデザインの Treo Pro が Treo ファミリーのメンバーであることは明らかだが、これまでのどのモデルよりもスリムで、洗練され、セクシーに感じる。本体色はブラックの1色のみで、サイズは約11.4×6×1.2cm、重さは約133g。

ポケットにも入れてみたが、ジーンズでも簡単に収まった。

画面の解像度は320×320ピクセルで、われわれのテストではいつも指紋が付いてしまった。電話のロック時でも日付や時間、そしてメッセージステータスを表示して基本的なチェックが可能な省エネディスプレイは気に入った。

画面下には標準的な方向パッドと、その周囲には通話開始/終話のボタンのほか、Windows の Start メニュー呼び出し、OK のクリック、カレンダーアクセス、そして電子メール起動用の4つのボタンがある。さらにその下には、非常に小型で弾性のあるキーを採用した QWERTY 配列キーボードが用意されている。ただし、窮屈なキーボードを使ったタイピングは楽しいものではなかった。

左側面にはボリュームボタンとカメラボタンがあり、右側面には(バッテリを節約するために)Wi-Fi 接続のオン/オフを迅速に切り替えられる賢い Wi-Fi ボタンがある。上部には電源と消音コントロールの各ボタンがあり、底部には接続ポートと3.5mm のヘッドホンジャック(Treo シリーズに新しく装備されたもので、これはうれしい)がある。

小型のスタイラスペンは右下の角という不便な場所にある。Windows Mobile Professional 6.1 OS はタップ操作を容易にする目的からスタイラスペンを必須としているためこれは問題だ。指を使ったタップ操作ではイライラする。Palm が右上に大型のスプリング式スタイラスペンを収納していた時代が懐かしい。

標準の Windows Mobile バンドル(ブラウザ、メディアツール、コンタクト、および カレンダーの各アプリケーションとポケット版 Office)に加え、Treo Pro は急速に不可欠になりつつある機能も用意している。GPS 信号の受信だ。TeleNav ソフトウェアを搭載しているため、曲がり角ごとに指示を受けることができる。

ほかにも、Treo Pro をビジネスユーザーにとって魅力的にする機能がいくつかある。Microsoft の「Direct Push Technology」がサポートされており、オフィスとは常に連絡を取りあうことができる。しかも、適格な企業の顧客には気前のよい24か月限定保証も付く。Treo Pro は Microsoft の「System Center Mobile Device Manager 2008」とも互換性があるため、IT の管理が容易になる。

Treo Pro は、これまで見てきたなかで間違いなく最も完成され、洗練されたデザインの Palm だが、本当のデスクトップアプリの使い勝手を実現した Apple iPhone が評価基準を引き上げてしまった。Treo Pro は出たばかりだが、われわれはすでに次に期待している。

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