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2008年12月04日(木) 19時01分

WSJ-グーグル、緊縮経営に着手=3ダウ・ジョーンズ

グーグルは、その検索広告が広告主に最高かつ最も測定可能なリターンを提供したとして、自身が力強い成長を続ける態勢は万全、と主張している。

だが、米国のインターネット広告業界団体インタラクティブ・アドバイジング・ビューロー(IAB)によると、7-9月期の米オンライン広告業界全体の広告収入は59億ドルと、前期比で2%の伸びにとどまった。グーグルは、自動車ローン、住宅ローン、不動産アドバイザーの支出が弱くなっている、とした。

金融危機はグーグルの社内に新たな切迫感を生み出した。幹部らは、長期的な潜在性を持つとみたプロジェクトへのコミットに変わりはないとした一方、それに劣るプロジェクトは「枯らす」用意がある、と述べた。事情筋は、先行きが読めないプロジェクトには、ウェブサイト上でメモをとって保存するサービス「グーグル・ノートブック」や、オンラインの動画映像のなかからフレーズの検索ができる「グーグル・オーディオ・インデクシング」がある、と述べた。

同社は重複した商品の統合も進めている。ユーザーが独自のウェブ作成に利用できる「グーグル・ページ・クリエーター」は9月にひっそりと打ち切られ、「グーグル・サイツ」と呼ばれる類似商品に統合された。

あるグーグル幹部は、判断基準は商品のユーザー数や、見込まれる利益の規模など、常に用いられてきたのと同じ、と語った。その上で「その基準は現在も3年前も同じ物事を図っている」と述べた。

今年に入り、マネジャーらは増加の一途をたどるグーグルの拠点について、経営面からの見直しを行った。同社は長年、才能あるエンジニアを発掘できると感じた場所に拠点を設立することを選択してきた。そのため、大学町などの比較的小さい市場に複数の拠点を開く結果になった例も少なくなかった。

グーグルは6月、新たな最高財務責任者(CFO)にパトリック・ピシェット氏を指名した。「シックス・シグマ」(商品の欠陥率を抑える厳しい品質管理制度)式の経営手法で鍛えられたピシェット氏は、無駄を取り除き、可能な限り支出を見合わせる方針を採っている。

グーグルはこれまで、自社のコンピューターサーバーを収容するため新たなデータセンターを気ままに建設してきた。自社製品への需要が能力に追いつくのは避けられないとの判断からだった。関係者らは、ピシェット氏が需要に応じた能力の調整に一層の注意を向けさせた、と述べた。グーグル常務会は最近、好況期に計画されたオクラホマ州の新施設の開設を遅らせることを決定した。

グーグルの取り組みが成果を上げ始めていることを示す証拠がある。10月に、米ヤフー(Nasdaq:YHOO)やイーベイなどの他社は7-9月期決算が厳しい内容になったのを受けてレイオフ計画を発表した。一方、グーグルは厳しいコスト管理が奏功し、その業績はアナリストの下方修正後の予想を上回った。当時、シュミットCEOは「われわれができることはまだ沢山ある」と語っていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081204-00000027-dwj-biz