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2008年12月04日(木) 21時43分

裁判官、娘に売春の母親に激怒 感情あらわ東京新聞

 中学3年生だった娘に売春を強要したとして、児童福祉法違反と売春防止法違反の罪に問われた母親(36)の公判が4日、和歌山家裁であり、杉村鎮右裁判官が「すごくひどいことをしたんだろ」と感情をあらわにして被告を怒鳴りつける一幕があった。

 被告人質問で弁護人から今後の生活を尋ねられた被告は「(共に逮捕された)夫と一から出直したい」と答えた。

 この言葉に杉村裁判官は「愛人をつくっていた夫に愛を感じるのか。どうやってやり直すのか」と詰問。被告が「感じません」と話すと「それで彼女(娘)が新しい一歩を踏み出せると思いますか」と強い口調で諭した。

 さらに「彼女にできることがあるでしょう。あんたたちが遊びに行っている間、売春させられ、弟の面倒もみていたんだよ。おれを彼女だと思って話できないのかよ。すごいひどいことをしたんだろ」と怒鳴り上げた。

 被告は消え入りそうな声で「すいません。もっともっと努力して母親になります」と答えるのが精いっぱいだった。

 検察側は懲役5年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。

 論告によると、被告は夫(47)と共謀。2月下旬、当時15歳の娘に、和歌山市のホテルでわいせつな行為をさせ、1万2000円を受け取らせたとされる。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008120401000718.html