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2008年12月04日(木) 16時15分

教科書検定、議事内容公開へ産経新聞

 小中高校で使う教科書発行の手続きである検定作業の透明化を検討している教科書検定審議会のワーキンググループが4日開かれ、文部科学省側は、教科ごとに分かれて検定を行う各部会の大まかな審議内容や決定事項を記載した議事概要を、検定終了後に示すといった改善案を提案した。検定審はこれまで原則非公開で総会の議事概要しか示していなかった。個別の議事内容の公表は初めてだが、詳細までは明らかにしない見通し。

 教科書検定に対しては、「密室審議」との批判があり、市民団体は部会自体の公開も求めたが、文科省は「静かな審議環境を確保する」として見送った。検定審は提案を基に年内にも改善策をまとめる。

 改善案によると、現代史などの分野で「学説が複数ある記述に意見を付ける審査」や「高度な専門性が必要な新たな記述の審査」など慎重な判断が求められる場合は、部会判断で専門委員の任命や外部専門家の意見聴取ができるようにする。

 検定審委員の所属部会も、検定後に初めて公表する。大学教員らから採用する「教科書調査官」については、検定意見の原案となる調査意見書を作っており、選考基準が不透明との指摘も出たため氏名や職歴を公表。調査意見書も事後公開する。

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