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2008年12月04日(木) 13時35分

<軍人恩給>不正受給の遺族逮捕 仙台地検毎日新聞

 母親が生きているように偽装して軍人恩給受給権者の遺族が受けられる扶助料を不正受給したとして、仙台地検特別刑事部は4日、宮城県大河原町大谷、無職、池沢美恵子容疑者(63)を有印公文書偽造・同行使と電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕した。同地検によると、軍人恩給の不正受給に絡む逮捕は極めて異例という。

 調べでは、池沢容疑者の母親は98年4月に死亡したが、その後に総務省へ郵送した恩給受給権調査申立書の住民票記載事項証明書に偽の大河原町長の印鑑を押し、母親が生きているように偽装。02年7〜12月、母親名義の郵便貯金口座に計約147万を振り込ませた疑い。

 池沢容疑者の父親は1946年に死亡し、母親が傷病恩給の扶助料を受給していた。「借金の返済や生活費に困っていた」と容疑を認めているという。

 住民基本台帳ネットワークへの切り替えのため03年に総務省が同町に照会し、母親の死亡に気付いた。不正受給額は約911万円に達したが、大部分は時効を迎えていた。同省は池沢容疑者に返金を求めたが応じなかったため、今年6月に軍人恩給の不正受給では初の刑事告訴に踏み切ったという。【比嘉洋】

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