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2008年12月04日(木) 12時40分

キタコ、パーキングタワーにオートバイ収納…阪神淡路級の揺れに耐え実用にレスポンス

立体駐車場の歴史は予想以上に古い。最初の商用立体駐車場は1960年(昭和35年)。二段方式(二階建て)の機械式駐車場が東京都千代田区に建設された。それ以後、四輪車の立体駐車場は、駐車システムの安全基準の整備されたこともあり、累計収容台数は256万台(社団法人立体駐車場工業会調べ)を越えたという。

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そして、四輪車用立体駐車場のスタートから半世紀後の2008年末、ようやくオートバイが収容可能な立体駐車場がお目見えすることになった。ここまでオートバイ立体駐車場の登場が遅れた大きな原因は二つある。

一つは、国土交通省都市・地域整備局がオートバイ駐車場の必要性を認めず、法的な整備を怠ってきたことである。同局は、昨年ようやくその姿勢を修正し、立体駐車場に収容できるようにしてでも、オートバイ駐車場を整備すべきことに気がついた。

しかし、既存の四輪車用立体駐車場にオートバイを収容するためには、揺れてもオートバイが倒れない装置の開発が不可欠。車両が載るパレットは、四輪車の轍(わだち)に合わせて一段低く、そのままではオートバイが駐車できない。また、緊急停止などの揺れには、オートバイのスタンドは耐えられないのだ。

この課題を解決したのが、二輪車部品メーカーの「キタコ」(東大阪市・北山稔夫社長)だった。開発責任者の山崎圭三特販部部長は話す。

「当社の駐車システムの最大の特徴は、阪神淡路大震災クラスの揺れでも倒れない『T-006』を頂点とする強固なホールド力を誇るオートバイスタンド。オートバイが備えている傾きを修正しようとする復元力を利用して、前輪のタイヤだけを進行方向の前後から”縦づかみ”して固定する」

同社は、国交省街路交通施設課が立体駐車場工業会に委託した「自動二輪車駐車システム共同技術開発」にも応募、オートバイスタンドの耐震テストも受けた。この試験には阪神淡路大震災を再現した地震波による耐震試験が含まれ、T-006で固定したヤマハ『ドラッグスター1100』など4タイプのテスト車両は、こうしたの振動を与えても転倒しなかった。

《レスポンス 中島みなみ》

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