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2008年12月04日(木) 10時41分

取り調べ録音・録画、警視庁など3カ月で31回試行産経新聞

 警視庁や大阪府警など5つの警察本部で今年9月から試行されている取り調べの録音・録画が、試行開始後の3カ月間で計31回実施されたことが4日、警察庁のまとめで分かった。同庁は試行が全国に拡大される来年4月までに、全国の警察本部の捜査1課などの取り調べ指導担当者に対し、専門教育を実施する方針。

 警察庁によると、録音・録画は殺人や強盗致傷などいずれも裁判員裁判の対象となる凶悪事件の容疑者で、犯行を認め、取り調べ状況の収録に同意した容疑者26人(うち女性1人)について実施した。

 適用が最も多かったのは神奈川県警の9回。次いで、警視庁と埼玉県警の各8回、千葉県警の4回、大阪府警の2回−の順。

 月別では、9月が12回、10月が9回、11月が10回。1回当たりの録音・録画の時間は10分以上15分未満が13回、15分以上20分未満が14回、20分以上30分未満が4回。大阪府警での実施数が少ないことについて警察庁では、否認容疑者が多いため、とみている。

 3カ月の間には、警察が録音・録画の意思を確認した際、「(取り調べ中の)惨めな姿を公判でさらしたくない。素直に話しているのに、録画されてうそを言っていると思われているようだ」などとして収録を拒否した男性容疑者もいたという。

 取調官側は、刑事捜査歴20年以上が9人、10年以上20年未満が10人、10年未満が7人で、録音・録画の際に「緊張する」との意見、感想が多く寄せられたという。

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