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2008年12月03日(水) 13時03分

裁判員制度:候補に不安も 125件問い合わせ 辞退事由の質問多く /愛知毎日新聞

 ◇本人は亡くなっている/寝たきりだが…
 「本人は既に亡くなっている。どうすればよいか」——。来年5月に始まる裁判員制度で、県内の裁判員候補者2万1600人に通知が発送され、これまでに候補者や家族らから名古屋地裁と岡崎支部に計約125件の問い合わせがあった。地裁は「関心の高さを感じる」と受け止めているが、辞退事由に関する質問が多いといい、候補者が裁判員になることに不安を抱いているとも言えそうだ。
 県内で裁判員裁判が実施されるのは名地裁と同地裁岡崎支部。最高裁は11月28日、候補者名簿に記載された名地裁分・尾張地区の1万6000人と、岡崎支部分・三河地区の5600人に通知を発送した。通知が届き始めたのは週末だったため、実質的な問い合わせは1日から寄せられている。
 2日までの問い合わせは名地裁に計約90件、同支部に計約35件。内容は「辞退事由の70歳以上だがどうすればよいのか」「通知が届いた本人は寝たきりだが——」など辞退事由についての質問が目立つ。亡くなった人に通知が届いたのは、候補者の抽選後に死亡したためとみられる。
 最高裁は来年1月31日まで専用のコールセンターを設けて裁判員制度に関する質問に対応しているが、通知書には名地裁などの連絡先も記されている。地裁は独自に作成したマニュアルや資料などを基に問い合わせに対応しており、特にトラブルはないという。
 名古屋地裁総務課は「発送から数日でこれだけの問い合わせがあり、関心の高さを感じる。コールセンターもあるが、電話があれば今後も丁寧に説明して理解を求めていく」と話している。【岡崎大輔】

12月3日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081203-00000102-mailo-l23