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2008年12月03日(水) 06時10分

滞納奨学金、回収強化へ 大阪“逃げ得”に歯止め東京新聞

 約44億円もの奨学金滞納に頭を痛めている大阪府出資の財団法人「大阪府育英会」(会長・橋下徹知事)は3日、2009年度から滞納者からの回収を強化する「滞納ゼロ作戦」を展開する方針を固めた。

 橋下知事主導で財政再建を進める府の意向で、能力があるのに返さない“逃げ得”に歯止めをかけるのが目的。回収に当たる人員を増やし、長期滞納には法的措置で対応する。

 育英会は、保護者が一定所得に満たない高校生や専修学校生に奨学金を無利子で貸与。毎年の返還金を翌年の貸し付け原資の一部としている。

 滞納者は1998年度の約1万3000人から、07年度には約2・4倍の約3万1000人に増加、滞納総額は約44億5000万円に上る。この間、貸付金額そのものも増加。景気低迷や正規雇用の減少などで返したくても返せない人が増える一方、所得が十分あるのに返済せず、督促の電話を無視し続ける人もいる。

 育英会は「放置すれば次世代に影響が出る」と判断。来年度から「返還推進室」の人員を現在の20人から30人に増強して督促の頻度を上げ、裁判所への申し立てを予告する時期を滞納2年から9カ月に大幅短縮する構えだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008120301000015.html