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2008年12月03日(水) 23時25分

日本IBM 千人規模の削減計画で退職強要? 労組が訴え毎日新聞

 日本IBM(本社・東京都港区)が1000人規模の正社員削減を計画している問題で、同社の労働組合「JMIU日本アイビーエム支部」(橋本雄二委員長)が3日、東京都内で会見し「社員が退職を強要されている」と訴えた。退職勧奨を数回断った社員が「48時間以内に退職を決意しなければ解雇する」と迫られるなど、労働契約法違反の行為が行われているという。会社側は強要を否定している。

 組合が入手した社内文書などによると、10月上旬に会社側から管理職に通知があり、最大15カ月の退職金加算を示し、社内評価の下位15%の社員らを対象にリストラを実施することを求めたという。15%はグループ会社を含めると約3000人に当たる。

 通知には社員の自由意志を尊重する旨の記述もあったが、退職勧奨を数回断った社員は「48時間以内に退職を選べば支援金は出すが、断れば解雇する」と退職を強要されたという。約150人の組合員のうち既に3人がこの手口で退職に追い込まれたという。労組は解雇予告を出させない仮処分などの法的措置を検討している。

 組合の上部組織JMIUの三木陵一書記長は「会社の業績は今年7〜9月で前年比5%の減収、1%の減益に過ぎず、リストラの必要などない。不景気に便乗した退職強要は断じて認められない」と訴えた。

 一方、日本IBMの広報担当者は「IT(情報技術)の会社として最適なスキルと最適な人材配置で競争力の向上を図っている。退職強要があるとは思わない」とコメントした。【東海林智】

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