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2008年12月03日(水) 21時37分

<シマンテック>闇取引のネット広告4400万件・250億円 クレジットカード情報が3割超毎日新聞

 クレジットカードの個人情報や銀行口座の売買など闇取引を宣伝するインターネット広告が世界で4400万件あり、価格の総額が約256億円に上ることが、セキュリティー大手シマンテックの調査で分かった。闇取引に関するネット広告の調査は初めて。

 調査は07年7月〜08年6月、ネット上で個人情報の売買など不正な商取引を扱った広告を収集、分析したもの。結果によると、最も多かったのは、クレジットカード情報の売買で31%、カード番号の売値は1枚0.1〜25ドルだった。クレジットカード情報は、オンラインショッピングなどで利用しやすく、詐欺を見破ることも難しいため、件数が多いという。日本人のカード情報を販売したとみられる広告もあったという。

 一方、銀行口座情報の売値は10〜1000ドル。平均残高は4万ドルと高額で、法人のカードを残高をそのままに売買していると見られる。同社のヴィンセント・ウィーファー副社長は「転売を繰り返せば、実行犯のリスクが小さくなるため」と説明した。

 同社によると、不正行為についての広告や情報交換には、ウェブ上のフォーラムが利用されてきたが、米国でおとり捜査も実施され、当局の監視対象になったため、さらに匿名性の高いインターネットリレーチャット(IRC)などに移行しているという。シマンテックが調べたIRCサーバーで最大のものは、約9万人が利用していたが、存続期間の平均は10日と短く、やり取りが暗号化されているケースも多いという。

 同社は企業向けの対応策として、「データベースの暗号化」「データベースへのアクセス制限」「記録媒体にコピーされないようにする」ことなどをアドバイスした。米国では、USBメモリーを介したコンピューターウイルス「オートラン」の危険性からUSBの利用を禁止した企業もあるという。【岡礼子】

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