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2008年12月03日(水) 01時44分

自民に「骨太」3年間凍結の動き 首相に路線転換圧力産経新聞

 小泉政権が策定し、構造改革の象徴とされてきた政府の歳出削減計画「骨太方針2006」を見直し、3年間凍結しようとする動きが2日、与党内で表面化した。麻生太郎首相は同日、骨太方針に基づく歳出削減方針を維持する考えを示して、党側の要求を拒否したが、今後の機動的な財政運営検討も指示した。

 自民党は同日の総務会で、平成21年度予算案の編成について、骨太方針が定めた(1)公共事業費の前年度比3%削減(2)社会保障費の自然増の毎年2200億円抑制−の方針を3年間凍結するよう政府に求めることで一致し、細田博之幹事長ら党四役が首相に申し入れることを決めた。公明党の太田昭宏代表も同日の会見で「方向性は公明党の考え方に近いかもしれない」と、凍結に理解を示した。

 これに対して、財政規律重視の自民党の園田博之政調会長代理らが反発し、骨太方針を維持するよう首相に進言。首相は党四役と会談しない意向を党執行部に伝えた。このため笹川堯総務会長1人が同日夕、首相に総務会の議事録を提出、要請を伝えるにとどめた。

 総務会の要求通りに予算編成するには骨太方針に基づき閣議決定された来年度予算の概算要求基準(シーリング)の撤廃が必要だ。だが麻生首相は同日夜、記者団に「シーリングは維持する。経済状態は急転直下のようなところがある。どんな形が最も機動的に対応できるか、党で検討するよう(保利耕輔政調会長らに)話した」と語った。

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