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2008年12月02日(火) 09時13分

法改正で、さらにパワフルな電動自転車——三洋「eneloop bike」+D LifeStyle

 「Think GAIA」をブランドビジョンに掲げ、環境に配慮した製品づくりを目指す三洋電機。中でも、充電池「eneloop」は、世界60カ国以上で使われているという。eneloopのようなエネルギーの循環をコンセプトにした製品群を同社では「eneloop universe products」と呼び、そのジャンルは充電式のカイロ「eneloop kairo」から、太陽光から蓄えたエネルギーで、電力供給もできるライト「eneloop solar light」まで多岐に渡る。

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 12月1日、その「eneloop universe products」から、電動ハイブリッド自転車の新製品「eneloop bike」が登場した。下り坂やブレーキ時にモーターを発電機として利用し、“走りながら充電”ができる回生機構に加え、モーターの力が従来の電動アシスト自転車よりパワーアップ。より効率的に、より少ない力で走ることができる。2009年2月上旬からの販売が予定されており、価格は、13万6290円。

●早速ですが乗り心地は?

 購入すれば、日常の足として頻繁に乗ることになるであろう自転車。そのため乗り心地は最も気になるところだろう。

 eneloop bikeはホワイト、ダークブルー、ダークグリーン、ブラックの4色で展開する一見なんの変哲もない自転車だが、搭載されたモーターのパワーに大きな違いがある。

 この自転車には人の力1に対してモーターの力を2までだし、走行を補助する「パワーアップモード」を搭載。この1:2のアシスト比は、12月1日から施行された最新の道路交通法施行規則で、最大駆動補助比率が従来の1:1から1:2まで引き上げられたことよって採用された。アシスト比が高まったことにより、非電動自転車に比べて、3分の1の力で走行できるという。

 発表会場には何台かのeneloop bikeが置いてあり、実際に試乗することができた。毎日、自転車通勤(最寄り駅までだが)をしている筆者の目線から、乗り心地をリポートしよう。

 いつもと同じ感覚で自転車に腰掛けると、ペダルに軽く足を掛けただけで車体が前に動きだしそうになる。少しの力にも反応する推進力があり、ペダルの軽さを思い知った。室内には試走用のコースが用意されており、スタート地点から軽く傾斜がかかっている。しかし、遠慮がちにひとこぎしただけですっと進み、水平な路面を走っているかのような感覚を味わえた。最初は思いのほか強力なパワーに少し驚くが、慣れてしまえば坂道も実にラクチン。買い物や通勤といった用途はもちろん、高齢のかたにとっても強い味方になるだろう。

 また、通常の電動自転車は後輪だけに駆動力が伝達されるが、eneloop bikeは、ペダルをこぐ人力を後輪に、モーターの駆動力を後輪に分配する「両輪駆動方式」を採用。自転車の“4WD”(や、2輪なので本当は2WDなのだが……)とも言えるこのシステムで、安定した乗り心地を実現していた。

●創エネと蓄エネも健在

 この自転車には、eneloopシリーズの一員として発表されただけあり、クリーンエネルギーを発電する“創エネルギー技術”と、作られたエネルギーを蓄える“蓄エネルギー技術”といったエコロジーな技術も盛り込む。

 それが、前輪に装備されたモーターを発電機として利用する回生機構によって、走りながらバッテリーの補充電を行う「ループチャージ」だ。後輪ブレーキを握ることでモーター機能から発電機能に切り替わり、充電される。また、坂の勾配を自動感知してアシスト量を制御したり、下り坂の慣性走行中は自動的に発電モードに切り替わる「オートモード」も用意されている。

 同社の実験によれば、自動で充電を行うオートモードでは、走行中に充電をおこなわない標準モードに対し、最大で1.8倍も走行距離が伸びたという。「(補助充電で長距離を走れるようになることで)家庭での充電回数も減る」(三洋電機コンシューマエレクトロニクス 家電事業部 営業統括部 輪界営業部 部長の楠田雅己氏)。

 パワフルで快適な走行と、エコロジーを両立させるeneloop bike。こういった電動ハイブリッド自転車が、主流の乗り物になる日も近いかもしれない。

(+D Style)

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