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2008年12月02日(火) 11時57分

業務上横領容疑で不動産会社社長を逮捕 大阪地検特捜部産経新聞

 建設会社に発注して建てた賃貸マンションをめぐり、工事代金の大半を支払わないまま別の不動産業者に転売したとして、大阪地検特捜部は2日、業務上横領などの疑いで、大阪市淀川区の不動産会社「セトル」社長、山田啓介容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めているという。

 調べなどによると、山田容疑者は所有する大阪市東淀川区の土地に10階建て賃貸マンション建設を計画し、昨年2月に大証2部の建設会社「森組」(大阪市)に発注。工事代金約3億3000万円のうち3000万円の手付金しか支払わないまま今年3月、マンション所有権をセトル名義で登記して建物を横領するなどした疑い。山田容疑者はその直後、他の不動産業者に土地と建物合わせて約5億5000万円で転売していた。

 山田容疑者は当時、森組から所有権移転登記に必要な書類に加え、「入居者への案内に必要」としてマンションの鍵を預かって建物を占有していたという。

 転売後の6月、山田容疑者は資金難からセトルを閉鎖。商社からの借入金の返済日が3月だったことから、特捜部は資金繰りに窮したことが動機とみて、転売で得た5億円余りの使途などを追及している。

 森組は4月、セトルが銀行取引を停止され、工事代金の債権が取り立て不能になったと発表。不動産業者に所有権移転登記を求める訴訟を大阪地裁に提起し、5月に山田容疑者を地検に刑事告訴していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081202-00000542-san-soci