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2008年12月01日(月) 20時15分

ゲームデータとメルアド狙う USBウイルス「オートラン」J-CASTニュース

 パソコンデータの持ち運びに便利なUSBメモリ。このUSBメモリを介したウイルスの感染被害が急増している。感染したコンピュータにUSBメモリを差し込んだだけでウイルスが入り込み、パソコンのデータを盗む。主にプレイ中のオンラインゲームデータやメールアドレスが狙われ、盗まれたデータは売買されるのだという。

■USBメモリ関連の不正過去最多

 ウイルス対策ソフト大手トレンドマイクロが毎月発表している「不正プログラム感染被害報告数ランキング」によると、USBメモリ関連の不正プログラム「MAL_OTORUN(オートラン)」が2008年10月は471件で、過去最多だった前月の347件を更新。8月から3か月連続で1位になっている。

 この「オートラン」は、もともと中国を中心とするアジアで多く見つかっていた。日本で感染報告が出るようになったのは08年に入ってから。感染しているPCにUSBメモリを差し込むと、USBメモリ内に不正プログラムのコピーが作成され、他のパソコンにUSBメモリを差し込むことによって感染が広がる。個人の被害だけでなく、海外の工場からUSBメモリで持ちこんだ「オートラン」が、日本本社のネットワーク内で感染を広げた例もあるそうだ。

■ゲームのアイテムは売られる

 ウイルス感染したPCは、インターネット経由で自動的に複数のウイルスをダウンロードする。トレンドマイクロが実験したところ、感染したPCは1か月で10種類以上ものウイルスをダウンロードした。同社によれば、「オートラン」の主な目的は個人情報の窃盗。特にオンラインゲームのデータやメールアドレスが狙われているのだと言う。オンラインゲームの場合、ゲーム内で獲得した、キャラクターの成長を表す経験値や、アイテムが奪われる。アイテムはゲーム上で数百円から数万円で売買される。メールアドレスは名簿業者などに売られる。

 「ウイルスは個人では発見しにくいプログラムが組まれているし、仮にゲームのアイテムが無くなったとしても、システム上のトラブルか何かだと勘違いしてしまう。今後も『オートラン』の被害は続くことが予想されるため、注意をしてほしい」と同社は呼び掛けている。


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