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2008年12月01日(月) 19時58分

<米紙CSM>日刊紙発行を中止 創刊100年の改革(1) ニュース提供はサイト中心に 改革に関心集まる毎日新聞

 米紙クリスチャン・サイエンス・モニター(本部・ボストン)が来年4月から日刊紙の発行をやめ、インターネットを中心にニュースを提供することを決めた。ネット普及の影響を受け、多数の米紙が厳しい経営環境に陥る中、創刊100年になる有力紙の改革に関心が集まっている。【ボストン(米マサチューセッツ州)で小倉孝保】 

 ●ネット普及が要因

 同紙はタブロイド判の朝刊紙で、全米3カ所の印刷拠点から郵便で毎朝読者に宅配している。良質の報道で知られ、歴代大統領にも愛読されてきた。

 改革の柱は、(1)これまでの紙媒体での新聞発行(月〜金曜日、週5日間)をやめ、日々のニュースをインターネットサイトで提供する(無料)(2)土曜日に宅配する週刊紙を新たに発行する(有料)(3)週5日、PDFファイルによるEニュースを発行する(同)−−の3点。

 改革を決めた最大の要因はインターネットの普及だ。同紙によると、一般の米国人は現在、ラジオや新聞を利用しないうえ、夕方に限っては、テレビよりもネットでニュースを入手している。そのため同紙は、3年前から新時代の新聞のあり方を検討してきた。

 同紙の発行責任者、ジョナサン・ウェルス氏は「各種の調査をみると、『今起こっていること』については多くの人がネットで情報を入手していた。一方、紙媒体には『なぜ』と『今後、どうなるのか』といった情報を期待していた。こうした要求を基礎に改革案を作った」と説明する。

 同社は95年にインターネットサイトを開設したが、基本的に、紙媒体のニュースをネットに転載してきた。4月以降は速報を重視し随時、ニュースを更新していくほか、ビデオを使った動画ニュースも充実させる。

 一方、週刊紙は日々のニュースではなく、出来事の背景を探り、それによってどんな影響が出るのかといった掘り下げた情報を提供する。Eニュースはそれでも、紙で読みたい読者を対象とし、コラムやニュースを掲載。PDFファイルをダウンロードし自宅で印刷する。 

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■記事の続き (2) 経営環境も追い打ち

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081201-00000019-maiall-sci