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2008年12月01日(月) 12時06分

<公安調査庁>「上祐氏派も観察対象」オウム処分更新を請求毎日新聞

 公安調査庁は1日、団体規制法に基づくオウム真理教(アレフに改称)に対する3年間の観察処分の更新を公安審査委員会に請求した。更新は3回目で、昨年5月に教団から脱退し、上祐史浩氏を代表に設立された「ひかりの輪」についても、「教団の内部組織」として、一括して処分対象とした。「新団体設立で、むしろ教団全体の実態把握が困難になっている。教団の閉鎖性、欺まん性は改善されず、監視の継続が必要」と理由を指摘している。

 公安庁は、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(53)が依然として教団の頂点で絶対的影響力を持ち、殺人を勧める危険な教えを維持して、出家信者を集団居住させて一般社会と融和しない閉鎖社会を構築していると指摘した。

 「ひかりの輪」については外形上、松本死刑囚の影響力払しょくを装う「麻原隠し」を展開しているが、別団体の結成で観察処分を免れようとしていると判断。「団体としての同一性を保持している」と結論づけた。

 公安庁の調べでは、教団の信者は約1500人で、うち「ひかりの輪」は約200人。拠点施設は15都道府県で30施設。公安審は00年1月、教団を3年間の観察処分とし、過去2回更新している。今後教団側から意見を聴き、来年1月末の期限までに結論を出す。【石川淳一】

 ◇解説…分裂しても同根、住民の不安増幅

 公安調査庁が教団への監視継続を請求した背景の一つに、昨年の分裂後、主流派が「麻原回帰」、新団体が「麻原隠し」を目指し、活動の方向性を2極化させている実態がある。衰退するどころか、今後、活発化も予想される活動を見えにくくする恐れがあり「拠点施設を抱える住民の不安を増幅させている」と警戒している。

 分裂で脱会した信者は約150人に上り、主流派は組織を引き締めるため、松本智津夫死刑囚の教義への傾倒をさらに強めているとされる。一方、新団体は松本死刑囚からの離脱色を打ち出すが、松本死刑囚が判決の確定前に上祐派側に観察処分を免れる方策として新団体の設立を伝えたとされる。

 95年の地下鉄サリン事件後に逮捕された約500人の教団信者は、大半が服役などを終えた。公安庁によるとこのうち約110人が教団に戻り、一部は新団体にも流れている。公安庁は、根が同一であることを裏付けるものとみている。危険性が消えない以上、処分の長期化は避けられないとみられる。【石川淳一】

 ◇観察処分

 団体規制法(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律)に基づく処分。公安調査庁や警察は対象団体に立ち入り検査ができ、団体には構成員や資産について3カ月ごとの報告が義務付けられる。処分は最長3年で、更新できる。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081201-00000031-mai-soci