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2008年11月30日(日) 00時03分

22歳で性転換手術 ニューハーフ美容研究家 岡江美希さん産経新聞

 物心がついたころから美しいもの、奇麗なものが大好きで、マンガを読めばヒロインにあこがれてました。銀河鉄道999のメーテルが大好きでね、「いつか自分もああなるんじゃないか」と思っていたんですが、全然ならないので悔しくって。成長しても、どうしても美しいものに興味がいくので、18歳の時に思い切ってニューハーフの世界に入り、22歳で性転換手術を受けました。

 若いころは何をしていても肌は奇麗なんですよ。ところが25歳の曲がり角を過ぎてお酒や夜更かしが続くと、シミやしわ、くすみが出てしまうんですね。当時は奇麗になると思って女性ホルモンをバンバン打っていたので、肝臓に負担がかかって、目の周りにはゴーグルのようなシミ。でも、化粧品は高価であればいいと思って、エステに通うなど盲目的にお金で解決しようとしたんです。

 ところが30歳くらいの時、あるお医者さまが「ドクターの研究成果と、きれいになりたいニューハーフの意見をコラボレートして化粧品を作ったら面白いんじゃないか」という案をくれまして。それまで私は、薬や化粧品の成分についての知識がまったくなかったので1年間、独学で勉強しました。どの成分とどの成分を組み合わせれば肌に有効的なのか。何度も自分で試して、満足できる美容液ができるまで2年ほどかかりました。

 開発当初は、女性のお客さまに「この化粧品は男性用ですか」と聞かれたこともあったんですけど、全然違いますから(笑)。世の中の女性全般向けに、天然ハーブをベースに肌を美しくするものとして作っています。

 若いころはね、みんな自分が好きでメークするんです。でもね、年を取ってくると、自分のことが嫌いで「隠すメーク」をするんですよ。20代のころのように自分のいい部分をさらにアピールするような、自分を好きになるような生活を送ってほしい−。そんな気持ちが、わが社の製品のベースにあります。

 今でもお酒は頭から浴びるくらい飲みますよ。家に帰って化粧を落とさず朝を迎えることも。それでも私は、シミやしわがないと驚かれます。シミやしわは消えるんです。

 それこそ子供のころにあこがれていた奇麗や素敵を、30歳代後半になった今でも手にしていることに感動しますね。それをみなさんにお伝えすることが、私の仕事です。

 ニューハーフは命がけで奇麗になっているというイメージがあるので、化粧品を開発しても驚かれることはないですよ。私たちはね、奇麗じゃないと生きている価値がないんですよ。汚くなってしまうとだれも口をきいてくれなくなるし、だれも寄ってきてくれなくなる。何歳まで奇麗でいられるかというのが、ニューハーフの命のバロメーターなんです。奇麗じゃなくなったら「歌を忘れたカナリア」。そういう気持ちで化粧品を作っています。

 60歳を過ぎてからも奇麗になる女性はたくさんいますよ。「奇麗になりたい」という気持ちを自分の中でいくつ持つか。1つより3つ、3つより10個持つ人が強いです。私は1万個くらい持ってますよ。だからみなさんに分けてあげられるの。

 「奇麗でないと生きている価値がない」というのは私のキャッチコピーで、心にいつも刻んでいます。ただ、すべての女性に対してそうあるべきだという、そんな失礼なことは申しません。でも、それを信条として私は生きているからこそ、みなさまに美を発信していけるのかなと思っています。

 ■おかえ・みき 昭和46年生まれ。兵庫県出身。大阪や東京でトップダンサーとして活躍後、知り合いの外科医の勧めを受け「トリプルサン化粧品」をプロデュースし、テレビ出演や著書を通じて自らの経験に基づく美容法を伝える。将来はファンデーションやアイシャドーなどメーク用品にも進出したいという。化粧品は大阪・心斎橋にあるオフィシャルショップなどで。問い合わせは、フリーダイアル0120・56・1115

 ■after記者NOTE 数十センチの至近距離で見つめたのですが、シミもしわもない! その上、この日の岡江さんはファンデーションすら塗っていないというのに、くすみのない美しい肌でした。「1日1回は玄米や牡蠣(かき)など“美肌食”を取るように心がけています」という姿勢に感服です。

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