記事登録
2008年11月28日(金) 16時02分

【党首討論】(1)小沢代表「補正予算案を出さないのは背信行為だ」産経新聞

 麻生太郎首相は28日午後、民主党の小沢一郎代表との党首討論を行った。党首討論の詳報は以下の通り。

                       ◇

 小沢氏「麻生総理大臣とオープンの場で、初めて対面するわけでありますので、遅まきですけれども、総理大臣就任のお祝いを申しあげます。まあ私、2年半あまり前に民主党の代表に推されまして就任しましたけれども、今日で3人の総理大臣に3回目のお祝いを申しあげることになりました。このままで行きますと、近いうちに4回目の就任祝いを申しあげなければならない状況になりかねない、そういう心配をいたしております」

 「しかしながら、しかしながら、私は今日の段階におきましても麻生総理ご自身の決断によってそれを避ける方法が2つあるのではないかと思っております。その一つは、総理がずーっと言い続けておりました、『年末にかけての国民生活の安定のために』と『選挙よりは景気対策だと、経済対策だ』と。そして10月の30日でしたか、経済対策を発表になられました。そして、これを実際に2次補正を提案していくんだ、そういう趣旨の発言もたびたびなさってまいったと思います。ところが、いつまでたっても、会期末が近くなりましても、そのような政府の様子が見えないもんですから、先だって失礼も顧みず総理に直談判を申しあげたわけであります」

 「しかしながら、結局、幹事長を通じまして、今度の臨時国会には提出しないという話が伝えられました。私は、これは本当に麻生内閣として、総理としてですね、本当に筋道の通らない、そして国民に対する背信行為だと思います。そういう意味で私は今からでも遅くない、会期も延長なさるようでございますし、今日、今すぐとは申しませんけれども、可及的速やかに、この補正予算案を提出するということが麻生内閣の、そして総理大臣自身のですね、論理的な結論であり、筋道ではないだろうかというふうに私は考えます」

 「その意味におきまして、先だって党を通じて2次補正は来年に提案するという話がございましたが、なぜ今まで国民のみなさんに、総選挙も先送りして景気対策だ、経済対策だ、と。2次補正出すんだといっておられたにもかかわらず、来年に回さないといけないのか。なぜ今年出せないのか。なぜ、今国会で出せないのか。そのことをまずお伺いしたい」

 麻生首相「お祝いを言っていただきまして、ありがとうございました。私の方もかねてよりお願いしていた党首討論をこういった形でお受けていただくことになりました。ありがたく感謝申しあげます。まず最初に、ご質問のあった2次補正の話がでました。私はこの景気対策は極めて大きなものだと思っています。少なくとも今、世界の中でいろいろな国々が景気対策、内需拡大などアメリカ、イギリス、中国、いろいろ始められているが、私どもは9月早々にこの問題を提起させていただき、おかげさまで1次補正も通して頂き、世界の先進国の中では一番早く景気対策に手を付けた国と思っている。まずその点はそう思っています」

 「そのうえで私どもは景気対策というのを考え、1次対策というものを申し上げた中では、いわゆるこの年末、12月の年末に向けて間違いなく、今、補正を1次が通っているので、その中で中小・小規模対策のいわゆる9兆円の保証枠、貸出枠などは順調にはけていまして、昨日、今日と約1000億、約1100億。毎日そのような形で使われているのは、もうご存じの通りです。その意味で、仮にこのまま継続しても、年内のものに対してはこれで対応できる。貸り手側に対しては、そう思っているが、もうひとつは貸し手側があります」

 「貸し手側の問題に関しては、金融機能強化法というのが今お願いさしていただいているが、いわゆる金融機能強化法を通していただくくことによって、貸し手側による貸しはがし、貸し渋りなどが起きないようにするという貸し手側、借り手側のもう1点の問題がまだ残っている。ぜひこの点についてはほぼ審議が参院の方で終わったようにうかがっているので、ぜひ早急に成立にするように小沢党首のお力添えも合わせてお願い申し上げたいと思っております」

 「ただ、基本的には私は今回の景気対策は1次補正というもので年末、そして2次補正はいわゆる会計年度の3月末に向けて、いわゆる3月の決算対策、いわゆる資金繰りがいることになります。そういったものを考えると、きちんとしなければならない。かつ2次補正の中で、平成20年度の法人税などはかなり減額、減収になると思っているので、それがどれぐらいになるのかという点も見極めないといけない。また、金融機能強化法がまだ通っておりませんので、通るか通らないかでまた違ってくる。そういった全体像をきちんとしたうえで2次補正をきちんとお見せする方がきちんとしている」

 「加えて景気を考えるんであれば、平成21年度の本予算が一番肝心。したがって、1次、2次、そして本予算の3つが3段階、もしくは3段ロケット、いろんな表現があろうかと思いますが、そういったものを含めてきちんと対応すべき。従って異例ではありますが、1月早々に国会をきちんとした形で、通常国会を早めに開催をさしていただき、この問題を国民に安心を得ていただくため、安心をもっていただくための本予算も含めて提出する形にさしていただきたい。従って2次補正というものをきちんと回った上で、というのを考えているのが今申し上げているのが1月早々にださせていただく背景であります」

【関連記事】
麻生首相が弁舌で勝つ?「太郎・一郎」討論
【麻生首相ぶらさがり詳報】党首討論「将棋指す前に『3四歩』と言う人いない」
党首討論 28日午後3時から 小沢氏は2次補正提出再要求へ
「アブねぇ」 vs 「チンピラ」 2次補正で泥仕合
“もろ刃の剣”だが… 自民は「マルチ商法」で民主に反撃へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081128-00000568-san-pol