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2008年11月18日(火) 17時01分

裁判員制度めぐりシンポジウム/専修大カナロコ

 来年五月に導入される裁判員制度の問題点や冤罪(えんざい)事件について考えるシンポジウムが十五日、東京・千代田区の専修大学で開かれ、学生ら約七十人が参加した。

 シンポジウムは「裁判員制度で、冤罪は防げるか」のテーマで専修大学今村法律研究室(矢澤昇治室長)が主催。始めに小田中聰樹・東北大学名誉教授が基調講演し、「国際テロ事件が相次ぎ、自分の身は自分で守る、といった『国民総警察化』の流れの中で裁判員制度が生まれてきた」と、同制度成立の背景を分析、「裁く側と裁かれる側の良心をかけた営みである裁判・司法の理念や原則からかけ離れている」と裁判員制度の問題点を指摘した。

 一方で、「これまで、冤罪被害者への支援や公正な裁判への運動が市民レベルで展開され、多くの成果を生んだが、こうした視点や支援体験を司法の国民参加に生かすべきだ」とし、講演を締めくくった。

 続いて、狭山事件再審弁護団事務局長の中山武敏さん、冤罪「甲山事件」元被告人の山田悦子さんら五人によるパネルディスカションが行われ、聴衆も参加して活発に意見交換した。また、「袴田事件」再審請求人の袴田巌さんの姉・秀子さんによる再審請求アピールも行われた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000008-kana-l14