防衛省は四日、過去の侵略戦争を正当化する論文を発表して更迭された
処分を急いだ背景には、インド洋での給油を継続する新テロ対策特別措置法改正案の参院での審議への悪影響を最小限に食い止め、野党の追及をかわす狙いがある。また中国や韓国への配慮もあるとみられる。
このほかの処分は、北村誠吾防衛副大臣が給与総額と議員歳費分の差額の半分(約六万三千円)、岸信夫、武田良太両政務官も同様にそれぞれ約四万円を自主返納。渡部厚人事教育局長は田母神氏の過去の論文や言動を把握していなかった注意義務違反で戒告、中江公人官房長は田母神氏の論文発表に際し、事前に文書で届け出をさせなかった注意義務違反があったとして、注意処分とした。
防衛省は再発防止策として陸、海、空各幹部学校での歴史教育の見直し検討に着手。政府見解に沿った歴史認識を幹部自衛官らに周知徹底させる方針だ。事務次官や各幕僚長ら防衛省、自衛隊幹部が外部に意見表明する際に義務付けている届け出の在り方も再検討する。
浜田氏は四日午前の記者会見で処分について「われわれ幹部が責任を明確化することが重要だ」と述べ、自身を含む責任に言及していた。