数々のミリオンセラー曲を手掛けた“天才”ミュージシャンの目にうっすら涙が浮かんでいた。四日朝、詐欺容疑で大阪地検の取り調べが始まった音楽プロデューサー
小室容疑者は、白のTシャツに黒のパーカ姿。午前七時五十分ごろ、大阪市内のホテルからワンボックス車に乗り込み、地検係官に両脇を挟まれるように後部座席に座った。やつれた様子で、目にはうっすら涙も。さかんに髪をいじり、悔しそうに唇をかんだ。
約二十分後、百人以上の報道陣が集まり、ヘリコプターのごう音が鳴り響くなか大阪地検に到着。一斉にフラッシュが光り、報道陣が車に駆け寄ると、小室容疑者は垂れた前髪越しに軽く左右を見回し、口元を少しだけ緩めた。
【写真説明】<左>大阪地検に向かう小室哲哉容疑者=4日午前8時9分、大阪市北区<右>大勢の報道陣に囲まれ、大阪地検に入る小室哲哉容疑者(車内奥)を乗せた車両=4日午前8時10分、大阪市福島区