岡山大病院は31日、肺動脈圧が上昇し呼吸困難や心不全などを引き起こす原因不明の難病、原発性肺高血圧症を患う広島県内の40代女性の右肺の一部に、40代の夫の右肺の一部を移植する生体肺移植を実施した。同大病院による国内初の生体肺移植から丸10年。今回で生体肺移植の症例は国内最多の50例となった。
移植手術は30人の医師団が担当、8時間近くかかった。心不全の状態だった女性は11月17日に手術する予定だったが、容体が悪化していた。
同大病院の生体肺移植は、1998年10月の初の移植成功から症例を重ねた。一方、脳死肺移植はこれまで14例にとどまっており、脳死移植の普及の遅れが生体肺移植の症例数を伸ばす状況となっている。