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2008年10月30日(木) 08時04分

模擬裁判、外国人被告を想定 「アドリブ、通訳難しい」産経新聞

 来年5月にスタートする裁判員制度に備え、外国人被告を想定した模擬裁判が28、29の2日間にわたり、東京地裁で開かれた。参加した法廷通訳からは「普通の裁判と違い、検察側も弁護側もアドリブで話す場面が多いので、対応が難しい」との感想が出た。

 今回の模擬裁判は、普通の裁判と裁判員裁判の間で、通訳への負担の違いが出るのかといった点を検証するのが目的。中国語が3法廷、韓国語が2法廷、ペルシャ語が1法廷の計6法廷で開かれた。

 参加した中国語の法廷通訳、朱韻菲さんは「あらかじめ用意された書面をそのまま訳せばよかった」というこれまでの裁判に比べ、裁判員裁判では「検察側も弁護側も、裁判員へのアピールのため、アドリブが多い」との印象だ。このため、対応力を付けることが課題となる。一方で、同じく中国語通訳の相沢茜さんは「普段よりも分かりやすい言葉が使われるので、慣れれば通訳はしやすい」と話した。

 裁判員として参加した茂木あすかさんは「通訳を介してやりとりするという経験がないので、話し出すタイミングが取りづらい」と戸惑いをみせた。

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