2008年10月30日(木) 21時40分
首相解散先送り 自民の大勢は歓迎 町村派や公明からは不満も(産経新聞)
麻生太郎首相が解散を先送りしたことを受け、自民党は大勢は歓迎の声を上げた。景気失速により、解散すれば惨敗が懸念されたからだ。一方、早期解散論の震源だった町村派や公明党には「首相は勝負の好機を逃した」(中堅)など不満もくすぶっている。
「きょう解散をするはずでございました…」
30日夕、都内のホテルで開かれた町村派若手のパーティーで、早期解散論者だった細田博之幹事長はこうこぼし、失笑を買った。
反麻生の急先鋒(せんぽう)である中川秀直元幹事長は30日の町村派総会で「選挙に勝てる総裁を選び、衆院選で勝利し国会の機能不全を解消しようということで麻生内閣がスタートした。国会で野党が再び徹底抗戦主義で機能不全にさせると福田政権と同じ状態になる」と述べ、解散先送りを冷笑。谷川秀善参院議員も「前回は解散しないと立ち枯れになると言ったが、このままいくと落ち穂拾いになる」と同調した。
だが、党内では肯定論が大勢だ。古賀誠選対委員長は古賀派総会で「首相の『政局ではなく政策が大事だ』という決断を支持し、経済対策に全力を尽くしたい」と強調。麻生派の中馬弘毅元行革担当相も「今は解散をやるべき状況にない。世界に対する役割を果たすのが麻生政権の役割だ」と首相を擁護した。
伊吹派の伊吹文明前財務相は今後の民主党の抵抗に懸念を示し、「いばらの道であっても乗り越えていかなければならない」。森喜朗元首相は訪問先のソウルで行われた韓国政府主催の「世界指導者フォーラム」で「実はわれわれも解散のにおいで動かされ、当初予定では今ごろ衆院選だった。韓国に行くのは少し心配だったが、これで少し落ち着くのではないか」と語った。
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