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2008年10月30日(木) 20時54分

麻生首相 3年後に消費税引き上げ 衆院選は年内見送り毎日新聞

 麻生太郎首相は30日、首相官邸で記者会見し、世界的な金融危機や景気悪化に対応するため、全世帯を対象とした総額2兆円規模の給付金支給などを柱とした追加経済対策を発表した。首相は経済状況を踏まえたうえで、3年後の消費税の引き上げを明言。「11月18日公示−30日投開票」が有力視されてきた衆院選については、事実上年内見送りを表明した。今後、首相は追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の成立を図りつつ、解散の時期を探ることになる。

 追加経済対策は30日午後、首相官邸で開かれた政府・与党と経済閣僚の合同会議で正式決定した。首相はこの後、早期解散を強く求めてきた公明党の太田昭宏代表と会談し、経済対策推進への協力を要請、太田氏も了承した。太田氏は会談終了後、記者団に当面の解散先送りを了承したことを明らかにした。

 首相は記者会見の冒頭、経済情勢について「100年に1度の暴風雨が荒れている」とし、(1)生活者の暮らしの不安を取り除く(2)金融安定化のための国際協調−−を進める考えを表明。そのうえで、「景気回復期間中は減税を時限的に実施する」と強調する一方、「経済状況が好転した後に、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始する」と明言。「大胆な行政改革を行い、経済状況を見た上で3年後に消費税引き上げをお願いしたい」と述べた。

 追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出時期については、「今後の国会運営の中で考えていく。臨時国会中に出すか、出さないかを今の段階で決めているわけではない」と述べるにとどめた。解散についても「補正予算が通るか通らないか、国会の対応を見たうえでのこと。解散の時期はそれに関連してくる」と語り、第2次補正予算案への民主党の対応を見極める考えを示した。

 一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「できるだけ早く国民の信を問うことが肝要」と解散見送りを批判。30日の社民、国民新両党との国対委員長会談では、首相を予算委員会の徹底審議で追い込む方針で一致した。首相は第2次補正の成立を目指し来年1月までの大幅な会期延長も視野に入れ、今後の国会対策にあたるとみられる。【高塚保】

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