二億円の宝くじに当せんした岩手県一関市の無職
吉田さんの当せん金をめぐっては、熊谷容疑者が一部を借金返済に充てていたことが既に判明している。「金銭のトラブルで首をロープで絞めて殺害した」と供述しており、捜査本部は熊谷容疑者の口座などの解明を進め、当せん金を使うことができた経緯や金の流れなどを調べている。
熊谷容疑者の知人は同容疑者について「女性の店をよく訪れていた。『〇四年から〇五年にかけて(女性に)家や土地を買ってやったり、店を支援するなど約八千万円を貢いだ』と言っていた」と話した。
また熊谷容疑者が、経営していた会社の従業員や消費者金融、知人ら多方面から借金をしていたことも分かった。
捜査本部や関係者によると、熊谷容疑者は岩手県陸前高田市で電子部品製造会社を経営していた際、複数の男性従業員から十万円ずつ借りていた。同社幹部だった男性にも「会社の運転資金が足りなくなった」と百万円の借金を申し込んだが、断られた。会社は経営が行き詰まり、〇五年十二月に破たんした。
昨年二月に吉田さんの預金通帳や印鑑が見つかった陸前高田市の家には、熊谷容疑者名義で額面八百万円や五百万円などの消費者金融の借用書や督促状十数枚が散乱していたという。