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2008年10月08日(水) 06時03分

皇居お堀で全裸英国人大暴れ!石垣登った、泳いだ、警官威嚇スポーツ報知

皇居の堀で泳ぎ、歩道に上がって警察とにらみ合った男

 スキンヘッドの全裸外国人が、皇居外苑(がいえん)で堀を泳ぎ、石垣をよじ登る大立ち回りを演じた。7日午前11時20分ごろ、自称スペイン在住の英国人男性(40)が東京都千代田区の和田倉濠(ぼり)に入った。男は堀の中を泳ぎ、駆けつけた警視庁の警察官に石を投げつけるなどした。約1時間半の大暴れの末、石垣を登ったところを警官に取り押さえられた。

 白昼の皇居外苑で信じられない光景が展開された。現場は日比谷通りに面した和田倉壕。地下鉄大手町駅やパレスホテルのすぐそばで、「特別史跡 江戸城跡」の立て看板もある。そんなニッポンの中心地で、大柄のスキンヘッド男が全裸で堀に飛び込み、泳ぎ始めた。

 クロールや犬かきを駆使して泳ぐ“怪人”に、警察官3人が救助舟と呼ばれる木製の手こぎ船に乗って確保へ動いた。男は、水深約1メートルの水面下に潜ったかと思うと、底にあった岩を両手で持ち上げ、追う“警官船”に攻撃開始。一進一退を繰り返す大捕物を、外国人観光客や、昼休みのOLら約300人が、堀を囲むように見物し、歓声を上げた。

 だが、その歓声が悲鳴に変わる。警官を岸まで追いかけた男は、全裸のまま上陸。下半身丸出しで歩道を走り、堀にかかる和田倉橋を横断し、捕らえようとする警官を逆に追いかけ始めた。右手にレンガブロック、左手にコーンをつなぐ黄色と黒のポールを持ち、威嚇する男に対し、警官もサスマタや盾で武装。追い詰められた全裸男は落ちるように、再び堀にダイブした。

 濁った堀を気持ちよさそうに泳ぐと、今度は日比谷通りとは反対側にある石垣(水面からの高さ約7メートル)へ。スキンヘッドの全裸男が大の字になって石垣にへばりつく姿に、やじ馬はシャッターチャンスとばかりに、カメラ付き携帯電話を向けた。男は石垣を破壊して、取り出した石を警官に投げつける暴挙に出たが、午後1時ごろ、石垣を登り切った所で“御用”となった。

 現場は内堀通りより外にあり、皇居からは約1キロ離れているが、男が登った石垣の向こうは、皇太子殿下御結婚記念・和田倉噴水公園になっている。1961年に天皇陛下のご成婚を祝して造られ、現在の皇太子ご成婚を記念して95年に整備された由緒ある公園。

 丸の内署によると、男は、自称、スペイン在住の英国人で、40歳という。他のスペイン人男女7人と観光で訪れていたが、「バッグを堀に落とした」と和田倉門外交番に相談。警官が救護舟を準備しているうちに、男が飛び込んだという。仲間は「(男は)朝から興奮した状態だった」と話している。同署は男を保護し事情を聴いたが、興奮が冷めた様子で、スペイン語で反省の意思を示したため、注意を与え、午後7時ごろに保護を解除した。

 【皇居お堀メモ】
  ◆広さ 12堀あり、合計面積は37万平方メートル。東京ドーム約8個分。
  ◆深さ 事件のあった和田倉濠は、平均1.22メートル。外側ほど浅くなる。大雨なら30センチほど水かさが増すことも。
  ◆石垣 英国人がよじ登ったのは水面から7、8メートルと思われる。
  ◆生き物たち 水中にはコイやフナ、ブルーギルなどが住んでいる。冬には渡り鳥も飛来。水底はヘドロ。その下は粘土質の土。
  ◆水質 かつては玉川上水から水を引き込んでいたが、1965年に新宿区の浄水場が閉鎖され、水源が雨水のみになってからは悪化。95年、敷地内に浄化施設ができ、アオコなどの除去に努めてきた。
  ◆管理 皇居に近い内側は宮内庁だが、一般の人たちが近づける外側は環境省皇居外苑管理事務所が管理。堀は国民公園「皇居外苑」の一部で、59年制定の管理規則で、遊泳は禁止。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081008-OHT1T00063.htm