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2008年09月17日(水) 00時45分

自宅から葬儀丸見え、フェンスかさ上げ命令…人格権侵害と読売新聞

 京都府宇治市の葬儀場に隣接する民家の住民男性2人が、葬儀の様子が自宅から丸見えで、平穏に暮らす権利が侵害されているとして、葬儀場を運営する同市の葬祭会社に、目隠し用のフェンスを高くするよう求めるなどした訴訟の判決が16日、京都地裁であった。

 井戸謙一裁判官は「精神の平安に悪影響で受忍の限度を超えており、人格権を侵害している」として、同社に20万円の損害賠償と、フェンスの高さを現在の約1・8メートルからさらに1・2メートル高くして、様子が見えなくするよう命じた。

 判決によると、葬儀場は2005年10月から利用が始まった。同社は周辺住民の要望でフェンスを設けたが、原告宅の2階は視界を遮られず、参列者の出入りや出棺の様子などが見渡せるようになっている。

 井戸裁判官は判決で「安息を求める自宅で日常的に他人の葬儀に接すれば、心の静穏が乱される」と述べた。

 原告側の代理人弁護士は「葬儀場周辺の住民に、平穏に暮らす権利を認めた画期的判決」と評価。同社の代理人弁護士は「全面的に承服できないので控訴を考えている」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000000-yom-soci