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2008年09月11日(木) 20時07分

法科大学院対象の司法試験、合格率32・98%に大幅低下読売新聞

 法務省の司法試験委員会は11日、法科大学院の修了生が受験できる新司法試験の2008年の合格者を発表した。

 受験者6261人のうち合格者は2065人で、新試験導入から3回目となる今年は初めて同委員会の想定合格者(最低2100人)を下回った。合格率も昨年比7・2ポイント減の32・98%で、一昨年の48・25%と比べても大幅に低下し、合格者を2010年ごろに3000人程度まで増やすとした政府目標の達成に黄信号がともる結果になった。

 今年は初めて74の法科大学院全校が受験者を送り出し、受験者は昨年より36%増加した。合格者数は東京大が200人で2年連続のトップで、中央大(196人)、慶応大(165人)が続いた。愛知学院、信州、姫路独協の3校はゼロ。ほかに一けた台の学校が31校あり、大学院間の格差に歯止めがかかっていない。

 同委員会は合格者を段階的に3000人まで増やすため毎年の合格者数の目安を定め、今年の新司法試験は「2100〜2500人程度」と設定していた。法務省は今回の結果を「法曹に必要な質を備えた人が2100人に達しなかったということ」と説明している。

 合格者のうち大学の法学部を卒業するなどした法学既修者は1331人で、合格率は44・34%と昨年(46・01%)の微減にとどまったが、法曹人口の増加に向けて期待されている社会人出身者などの未修者は734人で、合格率も22・52%と昨年(32・35%)を大幅に下回った。

 合格者の性別は、男性1501人に対して女性564人。平均年齢は28・98歳で、最高齢は59歳だった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080911-00000044-yom-soci