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2008年09月10日(水) 09時21分

どうなる「iPhone包囲網」 ドコモは新機種、KDDIも参入産経新聞

 パソコンの機能を取り込んだ高性能携帯端末「スマートフォン」市場で、“四つ巴”の決戦が幕を開ける。7月に米アップルの「iPhone(アイフォーン)3G」を国内で発売したソフトバンクに対抗し、NTTドコモは9月末に新機種発売を、KDDIは週内に新規参入を発表する予定だ。イー・モバイルも9日に新機種を発表し、包囲網が形成された。対するソフトバンクは苦戦するアイフォーンのテコ入れを図るため、ドコモの牙城(がじょう)である法人市場の切り崩しに乗り出す構えだ。

【図解】“四者四様”各社の新スマートフォンの特徴

 ドコモが投入するのは、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)による「ブラックベリー」シリーズの最新機種「ボールド」。ブラックベリーはビジネスでの実用性が高く、北米スマートフォン市場で首位の人気ブランドだ。

 すでに販売している従来機種は企業向けが中心だったが、ボールドは動画閲覧や音楽再生などの娯楽機能が充実し、デザイン性も高いため、ドコモは手薄だった個人顧客を取り込む戦略だ。

 実際の発売は今年度末とみられるが、アイフォーンが日本市場で伸び悩んでいるのを好機ととらえ、発表の前倒しを準備してきた。アイフォーンのPRに飛び回るソフトバンクの孫正義社長に対抗し、ドコモの山田隆持社長が陣頭指揮をとる構えで、異例のトップセールス合戦となりそうだ。

 唯一スマートフォンを販売していなかったKDDIが投入するのは、台湾のHTCが6月に発売した「タッチ プロ」。キーボードを備えた最新機種で、個人にも法人にも売り込む。

 イー・モバイルが10月上旬に投入するのは、HTCが5月に発表した「タッチ ダイヤモンド」。タッチパネルで操作する軽量モデルで、機能や斬新なデザインはアイフォーンの強力なライバルとなりそうだ。

 受けて立つソフトバンクの孫社長は、9日開いた企業向けイベントで「アイフォーンは業務用に必要なあらゆる機能を備えている」とアピール。法人への売り込みを強化する姿勢を鮮明にした。

 アイフォーンは世界中の技術者がソフトウエアを自由に開発し、ネット上のアップルの店舗を通じて公開・販売できる仕組みが特徴。ソフトバンクはビジネス用ソフトの開発を促し、法人顧客獲得に結びつける戦略を描いている。

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