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2008年08月31日(日) 21時10分

都が家庭の太陽熱量を買い取り 温暖化防止で全国初産経新聞

 地球温暖化対策に取り組む東京都は平成21年度から、暖房や給湯器で太陽熱を活用する家庭が使用した熱量に環境価値をつけて買い取る「グリーン熱証書制度」を全国で初めて導入する。太陽熱機器を設置する家庭に対して20万円程度の補助を行う方針も固め、家庭内の温室効果ガスの削減を促進する。また、都の条例で二酸化炭素(CO2)の排出量削減が義務づけられた大規模事業所が都の買い取った環境価値を購入し、削減目標を達成できる態勢作りも目指す。

 グリーン熱証書制度は、CO2を排出する化石燃料や電力などのエネルギーに代わり、太陽熱の利用で節約できたエネルギー量に「環境価値」をつけ、都が金額に換算して家庭から買い取る制度。環境価値は認証機関が算定する。

 都によると、都内のCO2排出量のうち家庭から出るのは全体の4分の1。エネルギー需要の半分は暖房と給湯で、いずれも数度〜数十度程度の低温熱需要。夏場で60〜70度、冬場で30〜40度の熱供給を期待できる太陽熱はこうした低温熱需要に合致。太陽熱を取り込む機器が普及すれば、CO2削減が可能になることからも制度導入を決めた。

 対象となるのは太陽熱温水器、ソーラーシステムなどだが、設置費用を含めると約30万円〜約100万円と高価で、都内での太陽熱を利用する機器の設置住宅は「全体の1%」(総務省)。このため、都では来年度からソーラーシステムなどを設置した家庭に3〜20万円程度の補助を開始。22年度までに4万世帯での普及を目指すことにした。

 また、都では、大規模事業所にCO2の排出量削減を義務づけた条例で、設定した削減目標を達成できない事業所が不足分を補填(ほてん)できるよう、都が家庭から買い取ったグリーン熱証書を企業に販売する方針を決めた。家庭だけでなく、都全体での地球温暖化対策の仕組み作りを本格稼働させる狙いだ。

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