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2008年08月29日(金) 12時02分

世界で最もワイルドな『プリウス』改造車:動画WIRED VISION

好き嫌いは別として、トヨタ自動車の『プリウス』はワイルドとは言えない車だ。[派手な外見の車が競う]自動車ショーで賞を次々と獲得するとは思えない車と言えるだろう。

だが、並外れた想像力と豊富な資金を持った3人のスウェーデン人が、金魚のようにおとなしいプリウスを、世界で最もワイルドなハイブリッド車に変えた。

スウェーデンのカーショップClasse's Garage社のClaes Gustafson氏とそのチームは、プリウスを完全に改造し、スーパーボウル会場よりもたくさんのスクリーンと、政治集会よりも数多くのスピーカーを搭載したほか、シンガーソングライターのエイミー・ワインハウス[派手なメイクやタトゥーで有名]さえも地味に見せてしまうような塗装を施した。

この改造プリウスの製作には、8週間と18万4275万ドルが投入された。改造後の車が初走行でClasse's Garage社の店舗から出発するまでに、外観で手が入れられなかったのは、フロントグリルのクロームメッキ部分だけだ。

Gustafson氏は、スウェーデンの民間テレビ局『TV4』で自動車関連のレポーターを務めている。およそ1年前、同氏はTV4から、カスタムカーを製作する番組の司会を担当しないかと打診された。その依頼に対する回答は「イエス」以外になく、Gustafson氏は番組向けに、環境にやさしい改造自動車を製作することに決めた。

同氏はスウェーデンのVolvo社、同じくスウェーデンのSAAB社、さらにはホンダの車なども検討したが、ユニークな駆動系を持つことを理由に、プリウスを選択した。

「目標は……視聴者に素晴らしい番組をお届けすることと、もう1つは、トヨタ車といっても、退屈で特徴のない自動車ばかりではないと示すことだった」と、Gustafson氏は電子メールによる取材に応えて述べている。今回の改造のコンセプトは、「あらゆる自動車はスタイリッシュに改造可能だと証明する」ことだという。

実際の改造はElvis Haeggblom氏とKenny Kyrk氏が手がけたが、これはつまり、ミケランジェロに天井画を描いてもらうのに等しい、超一流の手にプリウスがゆだねられたと言うことだ。

プリウス向けのボディキットは製造されていないので、2人はVolvo社の車『XC90』のボディキットを使用した。後部ドアは外し、前部ドアは両方とも、折りたたみ式ナイフのように開くものと交換した。

また、もとのリアウィンドウはゴミ箱行きとなり、サイドウィンドウも新たな形に作り変えた。フロントバンパーとドア枠の下には、カーボンファイバー製のスポイラーが取り付けられている。また、後部にカーボンファイバー製ベンチュリー管を取り付けた。

車体を支持するエアサスペンションを搭載したほか、ホイールは20インチにサイズアップされ[標準モデルは15/16インチ]、フロントブレーキも特大サイズに改造されている。

これほどワイルドなボディを持つ車には、それにふさわしい内装が必要だ。というわけで、Haeggblom氏とKyrk氏は、特注のダッシュボードとセンター・コンソール、レースカー用のシート、大地を揺るがすような大音量をとどろかせる出力4400ワットのカーステレオを搭載した。

サブウーファー5基とスピーカー8基、延べ長さ約400メートルのオーディオケーブルを何とか車体に詰め込み、さらに、15基の液晶画面、およびワイヤレス・インターネット・アクセス機能を備えたタブレットPC1基も設置した。4台のバッテリーが、これらの機器を駆動させる。

Gustafson氏は、駆動系の改造についてはまったく言及していない。したがって、この部分はオリジナルのままだと推定される(ただし、シフトレバーはダッシュボードからセンター・コンソールに移動し、シフトノブがビリヤードのエイトボールに変わっている)。

今年の春には、この改造車製作の全工程がテレビ番組『Classe Bilstyling』(Bilstylingとは、スウェーデン語で「車のスタイリング」という意味)で紹介された。

また、この車が初めて一般公開された自動車ショー『Bilsport Custom and Performance Show』では、エコカー部門で最優秀賞に選ばれ、さらには『John D'Agsostino Kustom Kars of California』特別賞も獲得した。

その後、スウェーデンの『Street Xtreme』誌に取り上げられた。同誌が撮影した動画をご紹介しよう(冒頭の写真も、この動画からキャプチャーしたものだ)。

トヨタのプリウスを過激に改造

[プリウスをゴージャスなオープンカーに改造したという日本語版記事はこちら。ホンダ『シビック』を4万円で改造し、リッター40キロの燃費を可能にしたという日本語版記事はこちら]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000003-wvn-sci