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2008年08月29日(金) 12時51分

<消費者物価指数>16年ぶりの高水準 家計圧迫さらに毎日新聞

 7月の消費者物価指数の上昇率は約16年ぶりの高水準となり、原油・穀物高騰に伴う価格転嫁が広がっていることを示した。賃金抑制が続く中での物価高は、家計を圧迫し、個人消費を一段と冷え込ませる懸念がある。政府は総合経済対策を策定中だが、国内総生産(GDP)の7割近くを占める個人消費に対する「物価高ショック」を和らげる有効策は乏しく、景気の早期回復は難しそうだ。

 大幅なマイナス成長になった今年4〜6月のGDP統計で、個人消費は前期比0・5%減と7四半期ぶりにマイナスに転じ、物価高による家計圧迫は顕著に表れている。

 一時、1バレル=150ドルに迫った原油価格は夏場以降、下落基調に転じ、7月半ば以降は110〜120ドル台で推移している。これを反映し、消費者物価の上昇率は8月には見かけ上、鈍化することが見込まれるが、原油は下がったといっても依然、100ドルを超す高水準。電気代やガス代値下げにはタイムラグがある。

 逆に、10月に小麦価格の再値上げが予定されるように生活必需品への価格転嫁の動きは今後も続く見通し。今の景気情勢では、日銀も利上げには動きにくい。景気反転のカギを握る個人消費の回復のきっかけは当面見いだせない。【尾村洋介】

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