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2008年08月28日(木) 21時02分

トヨタ 09年世界販売計画、970万台に下方修正毎日新聞

 トヨタ自動車は28日、東京都内で開いた経営説明会で、09年の世界販売台数(子会社のダイハツ工業、日野自動車を含む)を、当初計画(昨年8月発表)の1040万台から970万台に下方修正すると正式に発表した。米景気の失速やガソリン高を背景に、北米を中心に世界的な市場の冷え込みが続くと判断。世界の自動車メーカー初となる1000万台達成は翌年以降に持ち越しとなる。一方、環境意識の高まりに対応するため、家庭用電源から充電できる「プラグインハイブリッド車」の発売は09年末に前倒しするなど、次世代エコカーの開発を加速させる方針も示した。

 米国発の景気変調が他の先進国に波及していることを受け、トヨタは09年の北米販売台数を当初計画比30万台減の270万台に修正したほか、日本を同15万台減の225万台、欧州も同15万台減の130万台に下方修正。アジアも中国経済の減速懸念が高まったため、同15万台減の175万台とした。オイルマネーに沸く中東を含むその他地域は同5万台増の170万台に上方修正するが、全体の落ち込みは補いきれないと判断した。

 トヨタは7月には、08年の販売計画も985万台から950万台に下方修正しており、渡辺捷昭社長は28日の会見で「経営を取り巻く環境は厳しさを増している」と強調した。また、「不透明な部分が多い」として販売計画の公表は09年だけにとどめ、10年の数値の計画は見合わせた。

 収益力向上のため、小型車のコスト削減に取り組む特別チームを社内に発足させた。トヨタは原材料高を理由に、プリウスなどハイブリッド2車種と一部商用車を9月1日から値上げするが、渡辺社長は「市場を縮小させないため限定的なものにした」と述べ、最小限の措置であることを強調した。

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 一方、10年代初頭にはハイブリッド車の年間販売を100万台に増やす目標に向け、ハイブリッド車の新型「プリウス」を09年に投入し、プラグインハイブリッド車の大口顧客向けの発売を当初予定の2010年から09年末に前倒しすると発表した。さらに10年代初頭には、電気自動車の量産を行う計画も表明するなどエコカーへの対応を強化した。【宮島寛、中井正裕】

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