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2008年08月28日(木) 08時26分

新日石、卸値5・1円下げ レギュラー170円台半ばへ 9月 下げ幅最大フジサンケイ ビジネスアイ

 石油元売り最大手の新日本石油は27日、原油価格の下落を受けて9月出荷分のガソリンなど石油製品の卸価格を8月に比べ5・1円引き下げると発表した。値下げは2006年11月以来1年10カ月ぶり。下げ幅としては湾岸戦争後の1991年4月(3・7円)を上回り過去最大となる。

 ジャパンエナジーなど他の元売りも5円程度値下げする予定。値下げが店頭価格にそのまま反映されれば9月のレギュラーガソリンの全国平均店頭価格は1リットルあたり170円台半ばまで下落する見通し。食品などの値上げが相次ぐ中、消費者にとっては久しぶりの朗報となりそうだ。

 新日石の8月の原油調達コストは原油価格の急落で先月比1リットルあたり10・1円下落。ただ、同社が8月に打ち出した5・1円の卸価格の値上げは、店頭価格の値崩れで転嫁できなかったため、未転嫁分5円を差し引きして計5・1円値下げする。

 ジャパンエナジーも9月の卸価格を5円引き下げる方針で、値下げは07年2月以来。半月単位で卸価格を見直す出光興産も8月後半分を6〜7円下げたもようだ。

 25日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり181・7円で、依然として高値圏にあるが、同日、会見した新日石の中村雅仁常務は「9月の全国平均は170円台後半まで下落する」との見通しを示した。

 ただ、需要減が続くガソリン販売への寄与は限定的とみられる。新日石の来月のガソリン販売量は前年同月比5%減少の見込み。5月の揮発油税(ガソリン税)の暫定税率復活後、ガソリンの店頭価格は毎月10円程度の値上がりを続けたため、その影響で消費者の節約意識が高まっているためだ。中村常務も「一度定着した節約意識は5円程度の値下げでは回復せず、先行きを憂慮している」と不安をのぞかせた。

 業界内では「本格的な販売回復には、レギュラー価格で150円台程度まで下がらないと厳しい」との見方も強い。ガソリン販売の減少が続けば、元売り各社の業績に加え、全国の7割程度が赤字といわれるガソリンスタンド(GS)の経営も直撃するだけに、石油業界にとっては依然、気の抜けない状況が続きそうだ。

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